理事長ご挨拶

おもろいこと"が社会に活力をもたらす

名古屋芸術大学(以下「名芸大」という。)は2020年に開学50周年を迎えます。名芸大を設置した学校法人名古屋自由学院の沿革を概観しますと、美術・音楽との係わりは、幼児教育に起因していると思われます。幼稚園及び保育所の現場において、造形あそびや音楽を通して創造性を育むことになるからです。こうした芸術的な素養が重要であることに着目し、名芸大を設置した創立者故水野名誉学院長の先見の明には、頭の下がる思いがいたします。

近年では、18歳人口の減少、大学間競争の激化、大学教育に対する社会ニーズの変化など、大学を取り巻く環境が目まぐるしく変化し、大学運営にとって厳しい状況が続いています。これまで大学は、教育・研究機関として進歩してきましたが、最近では、学生や大学の関係者だけではなく、加えて社会に貢献することが求められるようになってきています。美術・デザイン・音楽・人間発達といった専門性の修得のみならず、これまで以上に幅広い見識の理解が必要といえます。作家や演奏家という自分の専門性を究める道だけではなく、名芸大で学んだ芸術の素養及び自分の能力を生かし、企業や社会の中で活躍する方が多くいらっしゃいます。

最近では、AI(Artificial Intelligence人工知能)が発達し、将来AIが行うことが可能な職業について報道されています。では、名芸大で培われてきた感性はどうでしょう。人間の活動の中でAIに置き換えることができない部分及びAIを超えた人間の感性に訴えることが、今後社会から求められるようになるのではないかと考えており、このような人間の感性の教育を担うことが名芸大の使命ではないでしょうか。

名芸大は、学生自身をワクワクさせ、社会に活力をもたらすため、音楽では単なる演奏に留まらず、音楽に関連する全分野で支援し、聴衆に感動を与える演奏会の開催、独創的でユニークな作品の制作などにおいて、学生たちが「おもろいこと」(「おもしろいこと」の関西弁。)を追求するところから始まるのではないでしょうか。

学生たちのワクワクするような「おもろい」活動によって、社会で活躍している卒業生及び地域社会や産業界などと連携を図り、名芸大だからできる感性に働きかける部分での役割を果たしていく必要があると思います。名芸大は、これからも学生が「おもろいこと」を追求し、芸術の魅力を社会に発信し、優れた感性で社会を牽引できる人材を育成したいと存じます。これを支えるために、名古屋芸術大学へのご支援を賜りますようお願い申し上げます。

学校法人 名古屋自由学院 理事長
川村大介

名古屋芸術大学 理事長

川村 大介