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美術学部長

絵が、ふと「呼ぶ」瞬間があります。「こう描いてほしい」「こんな色がほしい」と。作品は強引に作ろうとすると、手間ばかりかかり卑小なものになってしまいます。逆に、そっと画面の聲に耳を傾け、その聲のままに筆を動かせば作品は自然と生まれてきます。絵を描く上で大切なことは、日常のありふれた事柄や物の中から普遍的本質をすくい取ることと、それを具現化するための努力を惜しまないことです。制作行為はそれのみで完結しているわけではなく、日々の生活と密接に関わり、人間としての豊かさや深い洞察力無しでは本質をすくい取ることもかなわないでしょう。

 画面の聲(声)に耳を澄ましてみよう。


洋画1コースでは多様化する表現媒体の中で平面絵画にこだわり、生涯制作活動を続けるための基盤となる観察力や描写力の育成と、表現を支える素材や技法の研究を大切に考えています。自由さ溢れる空間で集中力を高め、画面の聲に耳を傾けてみましょう。時に画面が何かを語りかけてくるかもしれません。その聲は同時に皆さんの内なる聲でもあります。我々は何よりも内発性のある作品を求めます。作品とは作者そのものだから。


洋画領域 洋画1コース 教授
中澤 英明