芸術学部 芸術学科

芸術教養領域

インタビュー

ヴィジュアルリテラシー

教授(視覚文化)

茂登山 清文

「興味」が「教養」になるそんな学びがここに。

私たちの目に入ってくる全てのもの。ヴィジュアルリテラシーでは、3つの段階でそれらを学んでいきます。まず見て何が描写されているか理解する。次に、それがどんなものか咀嚼する。そして、自分でつくり発信する。授業では、人に伝えられる写真を撮る実習から始めます。技術をつないで、いろんなことができる人となるため、一度は自分でやってみる。おもしろさも難しさも知った上で、プロに的確なオーダーができる力をつけることが必要なのです。その後DTPスキルを学び、さらに映像分野を選択することもできます。皆さんの中には、動画や音楽、サブカルチャーが好きな人もいるでしょう。これまで学校の外で楽しんでいた世界が、ここでは深い学びになると知ってほしいですね。

写真館の息子として生まれ父の職人仕事を見て育つ。学生時代よりアーティストが身近にいた。「“好き”は出発点。モチベーションを持ってほしい」

言語(英語)リテラシー

准教授(言語学)

早川 知江

教養は、人生をおもしろくするもの。

英語リテラシーでは、英語を通じ言葉をどう捉えていくかを考えます。例えば、英語の絵本を題材に、自分がおもしろい、キレイだと感じた文や絵を、なぜそう思うのか、そう思わせる仕組みは何か、分析したりします。大切なのは、言葉にして人にわかりやすく伝え共有すること。それには言葉の力が不可欠です。授業は発表を中心に、言葉で伝える力を磨きます。英語の映画も題材にしますが、観る際に原作や時代背景などを知っていると、作品が倍楽しくなります。知識や教養で、人生はもっとおもしろくなります!英語は苦手という人も、英語ができたら他にどんなことができるだろう…という視点で学び、自分の可能性を広げてほしいと思います。

学生が気軽に研究室を訪れられるよう、卒業生の作品を壁に飾ったり、居心地のよい雰囲気づくりを工夫中。「いつでもウェルカムです」

サウンドリテラシー

非常勤講師(サウンドアート)

日栄 一真

「音」と「音楽」を学ぶことで自分を再認識する。

音と音楽の違いはなんでしょうか?例えば、コピー機の「ウィーンカシャン、ウィーンカシャン」という音も、聞き方によっては音楽に感じるかもしれません。授業ではこのような日常を取り巻く音の現象に疑問を持ちつつ、実習を中心に、能動的に音楽や音について学んでいきます。1年次には、コンピュータを用いた音楽制作を行います。音楽や音の仕組みを理解することで、これまでの音楽の授業になじめなかった人でも、音楽や音を楽しめるようになると思います。音は無意識のうちに人に影響を与えます。その構造や性質を知り、なぜ自分が楽しく感じるのか、あるいは不安になるのかなど、音に対する感覚を意識的にとらえることで、いろいろな発見をしてほしいと思います。

大学で教鞭をとりながら、サウンドアーティストとして展示会・イベント等で活躍中。クラブDJの顔も。「楽しむため、いろんな経験をしてほしい」

情報リテラシー

非常勤講師(情報デザイン)

遠藤 麻里

情報という大きな力を使って自分を表現するために。

SNS上で、何か間違ったことを発信したら、瞬く間に世界中に伝わってしまう。それはとても怖いことですが、うまく使えば自分を表現することも一瞬でできるわけです。ここでは、情報という大きな力を使って、どう自分を表現し伝えていくかを考えます。情報社会の仕組みから、Web制作やSNSなど、3年次にはヴィジュアル表現のためのプログラミングの基礎も勉強します。これらの学びを通じて自分の基礎をつくる。スゴイな〜と見ているだけだったものの仕組みを知り、価値の判断ができるようにします。リベラルアーツを学ぶ人には、世の中にあるものの価値を見定め選ぶことができる力を身につけてほしい。選択という意味でも、リテラシーは、大きなアドバンテージになります。

情報文化を学び建築家として活動した後、再び大学院へ。情報技術の力を使い、街のデザインを良くするのが目標。「失敗してもいい、まずやってみて!」

SPECIAL MESSAGE
自分を超えた尺度があるとわかっている人を大人と呼びたい。

哲学者

戸田山 和久

特別客員教授就任予定

教養のある人とは、単に物をたくさん知っている人ではありません。知識と、次にあげる3つのプラスαを持っている人だと思います。
1つめのプラスαは、知識がオーガナイズ(体系化)されていること。袋に詰めただけの知識は、クイズにしか使えません。自分の頭の中の座標形に、いろんな知識を位置づけ、他の知識と関係づけて使う。今、必要な知識は何なのかちゃんと選び、実行できる力が必要なのです。
2つめのプラスαは、人生への或る態度。自分を相対化して見ることができるということです。簡単に言うと、自分の欲求や好みが全て優先すると思わない。自分はこれが好きだが、客観的に見たらあれの方が価値があり美しいといった、自分を超えた尺度のようなものがあることを知っている。そういう人は、心にゆとりがあり、間違えた時もスムーズに考えを変えることができます。
3つめのプラスαは、大人として社会に参加し、社会をつくっていく姿勢・意思を持ってること。これらは、大人になるために絶対必要だと思います。大人として生きる方が、子どものままでいるよりいい生きかたができるのだから。
哲学では、こうした自分を超えた尺度を「真善美」と呼んできました。これらに共通しているのは「自分は十分わかっていないし、今の自分の欲求とは違うようだけど、自分の外にそれは厳然としてあり、いつかはわかりたい」ものだということ。科学でも美術でも、人はそれをわかりたくて勉強するのです。自分のちっぽけな好みとか欲求とは別の尺度がこの世にあると知っていることは、とても重要です。ですから、自分で美しいものを生み出すのも素晴らしいけれど、人が生み出した美しいものをきちんと評価し、守り伝えていく活動をサポートすることは、同じくらい重要です。それを理解できると、より楽しい大学生活が送れると思います。

現在、名古屋大学教養教育院院長・情報文化学部教授を務める。科学哲学を専門とする哲学研究の第一人者。『論文の教室』『知識の哲学』『哲学入門』『「科学的思考」のレッスン』ほか著書多数。