小栗みずき

豊田萌

大学院音楽研究科 器楽専攻 2年

第21回 大阪国際音楽コンクール ピアノ部門Age-U第1位

年齢上限がなく、ジャンルが豊富で、民俗楽器やアマチュア部門もある2000年にスタートした総合音楽コンクール。テクニックはもちろん、音楽性、将来性を重視するこのコンクールで、本学大学院音楽研究科 器楽専攻2年の豊田萌さんが受賞しました。

大学院東京分室の第一期生なんだ。

大学を卒業して、一度社会へ出まして、ピティナ(一般社団法人全日本ピアノ指導者協会)の関連会社である東音企画で働いていました。それと同時にピアノを教えているうちに、学生時代、先生がおっしゃっていたことの意味が実感としてわかってきて、もう一度しっかり勉強したいなと思うようになりました。大学時代に師事していた横山幸雄先生、川田健太郎先生から教えていただけるということで、悩みましたが思いきって決めました。

大阪国際音楽コンクールの他にもいろんなコンクールで入賞してるね。

大学院の最後の年なので、出られるコンクールはできるだけ出ようと思っていました。大阪国際音楽コンクールの本選で演奏したスクリャービンは、自分のレパートリーではなかったのですが、大学院にいる間に、ロシアに留学されていた川田先生からロシアの曲を学びたいと思いプログラムに入れました。ですが、本番できちんと弾けるかどうか不安で、棄権する夢を2回見ました。でも、本番でピアノの前に座ると、なぜだか落ち着いて、いけると。

そんな気持ちになるんだ!

初めての経験でした。自分の頭の中で鳴ってる感覚と客席側の感覚がマッチして、そうしたら受賞できた、みたいな…。聴く人と『この線で合っているよね』と確かめながらやっていたら、なぜだかつかめたという感じです。夏に行われた、とあるコンクールの審査員の方が、結局は客席にいる人とのコミュニケーションだというようなことをおっしゃっていて、どういう意味だろうと思い、試してみた本番でした。自分ではこのような形にして表現しようとしているものが、果たして求められているものだろうかと考え、ちょっとしたアクセントや遊びを加えたりしました。自分でも面白かったです。

今後は?

演奏家として表現することとピアノを教えること、この2つに取り組んでいきたいと思います。

シューマン:ピアノソナタ 第1番 作品11 嬰ヘ短調 第1楽章(全国ピアノeコンクールより)