教育学部子ども学科 ICTモデル教室を設置

教育学部子ども学科
ICTモデル教室を設置

 社会のデジタル化が進む中、教育現場でも先端技術の効果的な活用が求められています。今年度から教育学部にも「子どもICTコース」が設置され、東キャンパス1号館501教室をICT教育モデル教室として整備しました。ICTを活用した模擬授業や、オンライン配信のための設備、クロマキー合成映像などを作成することができるコンテンツ作成のための設備を備え、今後、さまざまな演習や研究に活用できるようになります。

教室レイアウト

協働学習ゾーン

  • 電子黒板(プロジェクター)、タブレット
  • 協働学習ソフトウェア(SKYMENU、ロイロノート等)

 白板と2台のプロジェクター、丸テーブルを備え、右側と左側、2グループで協働学習を行うことができます。

個別学習・一斉学習ゾーン

  • 電子黒板(大型ディスプレイ)、デスクトップ端末、タブレット
  • デジタル教科書
  • 個別学習ソフトウェア(ペンまーる等)
  • プログラミング教材(アーテックロボ、MESH、WeDo等)

 これまで通りのスタイルの模擬授業や、電子黒板を使ったデジタル教科書や個別学習のソフトの利用、プログラミングの学習なども可能です。

コンテンツ作成・遠隔授業ゾーン

  • デスクトップ端末
  • 映像配信装置(スイッチャー、書画カメラ、ステレオマイク等)
  • クロマキースクリーン
  • サウンドバー(カメラ&マイク/スピーカーユニット)

 オンライン授業の配信と、単なる配信だけではなくグリーンバックでクロマキー合成映像の制作もできるようになっています。

教育学部 子ども学科 真弓英彦 教授

教育学部 子ども学科 真弓英彦 教授

ICT教育について、真弓教授に伺いました

 この教室では、協働学習、一斉学習と個別学習、コンテンツ作成の3つのことが模擬授業として体験できる設備が整っています。最初に使うのはデジタル教科書だと思います。最近ではほぼ全ての学校で導入されています。北名古屋市の小学校で使われている教科書会社のものをベースに、各教科を揃えています。電子黒板を使い、従来通りの一斉学習のスタイルで模擬授業を行います。もう一つ、プログラミングも大切かと思います。プログラミングに触れてこなかった学生もたくさんいますので、まずは自分が使ってみてどんなことができるか、それを体験するところからやっていきます。その上で、それを小学生にどう指導すれば良いか、また、どうすればほかの教科の中にプログラミングを組み込んでいけるか、そんなことを考えていく授業にしたいと思います。具体的な授業として模擬授業の演習も行いますが、社会のデジタル化が進んでいく中で、これからの教育や教員のあるべき姿みたいなものを考えていきたいです。
 2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化され、あわせて「GIGAスクール構想」もスタートしましたが、新型コロナウィルス感染拡大により、ハードの整備はこの2年間前倒しで進みました。この環境を利用するためのソフト面が整わず活用できていないのが現状です。今はまだ、子どもの学習具、教員の教具として活用されるにとどまっています。私は、その先を考えて欲しいと思っています。ICTを使った学習では、これまで把握するために時間のかかったひとりひとりの意見を瞬時に見ることができ、また子どもたちもこれまで知ることのなかったほかの友達の意見を見ることができるようになり、自分の意見を持ったり、発言したりできるようになったという効果が示されています。データの蓄積も簡単になり、活用もしやすくなります。これまでわからなかったことがわかる、子どもたちひとりひとりの成長が見え、教員も成長していけるような、そういった活用ができないかと思っています。
 ICTコースでは、授業だけでなく、教育現場を支援するスキルも学びます。10年ほど前から、学校でICT教育を推進するための実務的な支援を行うICT支援員という仕事があり、まだまだ人員的に大きく不足しています。国家資格であるITパスポートとともに、現場でトラブル対応などもできるICT支援員まで育成できればと考えています。

取材にご協力いただいた(左より)川島さん、高橋さん、西田さん、服部さん、半谷さん、ありがとうございました。

「GIGAスクール構想」とは?

 2019年12月に文科省から打ち出された5年間の計画。子どもひとりひとりの個性に合わせた教育の実現、さらに教職員の業務を支援し教職員の働き方改革も目的のひとつとなっています。

  • 1人1台の端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、特別な支援を必要とする子どもを含め、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育環境を実現する
  • これまでの我が国の教育実践と最先端のベストミックスを図ることにより、教員・児童生徒の力を最大限に引き出す