名古屋芸術大学

アートクリエイター1年生 美術文化基礎演習I前期 前田クラス

 アートが社会に果たす役割や社会から期待される役割は、増え続けています。アートによる町おこしや、美術館、博物館で行われるワークショップは特別なことではなくなりました。また、東日本大震災以降アートの役割の重要性は、改めて広く深く認知されています。ホスピタルアートや身障者によるアートなどアートに期待する新しい動きも増えています。それでは、実際に社会に対してアートで働きかけを実行していける人はどれくらいいるのでしょうか。十分とは言いがたい状況にあることは間違いありません。また、最近では、中学、高校で美術・音楽の授業時間が減少しており、技術的なことも意欲や関心さえも低下傾向にあるということも事実です。
 この2つの流れをつなぐことが、芸術大学に求められていることだといえるでしょう。アートクリエイターブロックもこうした役割を担うものといえます。本学では、2008年にデッサンによる入試などを取り除きさまざまな可能性を持った人材を受け入れられる、アートクリエイター領域を設置しました。今年度からは、さらに自由度を高め、美術学部を、日本画、洋画1、洋画2の「絵画ブロック」と版画・平面、コミュニケーションアート、彫刻、陶芸・ガラス、美術文化からなる「アートクリエイターブロック」の2つに再編しました。アートクリエイターブロックの1年次に行われるファンデーションでは、美術分野全般のあらゆる基礎を学び、体験します。ファンデーションを経て2年以降の専門分野へつなげ、4年間で社会に応えるための能力、技術を身につけます。
 今回の特集では、アートクリエイターブロック、ファンデーションを担当する3人の先生にお話を伺いました。三者三様、熱のこもった取り組みの一端でも感じ取っていただければと思います。アートクリエイターブロックの今と未来について語っていただきました。

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