名古屋芸術大学は、長年にわたり豊橋市自然史博物館との連携事業を行っています。
今年度は、2024年7月12日(金)〜9月23日(月・休)に開催される特別企画展「キセキの結晶・鉱物」にあわせ、コミュニケーションアートコース、工芸コースの生徒が結晶のオブジェを制作、設置しました。
このオブジェは「キセキの結晶・鉱物展」の来館者に対し、SNSなどで発信できるような記念撮影スポットがあればいいのでは、というオーダーから制作が始まりました。
本校の卒業生でもある、コミュニケーションアートコース 加藤真浩講師は、「学生時代に、自然史博物館とは恐竜や昆虫などのオブジェを制作・展示したことがありました。今回は「キセキの結晶・鉱物」という企画展のテーマに合わせ、イラストチックな、分かりやすい結晶の形として制作しました。」と今回の作品について説明しました。
作品を制作した工芸コース2年 町田歩兎さん、コミュニケーションアートコース2年 松浪七海さんは、別のプロジェクトで発泡スチロールでの造形を経験していたということで、加藤講師から声がかかり、参加を即決したということです。
町田さんは「先生のアドバイス通りに進めたという感じです」と笑いましたが、実際には「これまでに恐竜や昆虫といった有機的な形を発泡スチロールで制作をしていましたが、今回は結晶なので綺麗な断面を作るということに特に神経を使いました。その辺りが難しかったことでもありますし、より良い制作方法を学生2人と考えながら制作を進めていったことが彼らの勉強にもなったかと思います」(加藤講師)と振り返り、試行錯誤の様子がうかがえました。
松浪さんは「普通はゴミになってしまう切れ端をそのまま土台として使うなど、いかに材料の無駄をなくして制作するかということを学びました」と、制作時の工夫について聞くことができました。
加藤講師は「まだ2年生なので、比較的小さな作品を作っていますが、 大きいものを作るとなると、運搬のことを考えて取り外しができるようになど、考える事がたくさんあります。そういうところが彼らの学びに繋がったと思います」と、今回の意義についても語りました。
オーダーをいただいた豊橋市自然史博物館 調査研究グループ 主任学芸員 (脊椎動物担当)安井謙介氏は「恐竜や昆虫といった生物と違い、インパクトのあるものが作れないかなと思っていましたが、今回は水晶の結晶が飛び出る、いかにも自然界で見つかった水晶通りのものが巨大なサイズで仕上がり、非常にインパクトのある、今回の特別展のコンセプトに合う模型だったので非常に感謝しております」と感想をいただきました。