先端メディア表現コース 名古屋市科学館「メディアアートで科学のみりょくを伝えてみた!」開催

 先端メディア表現コースは、名古屋市科学館、ナディアパークとコラボレーションし「メディアアートで科学のみりょくを伝えてみた!」展を開催。2024年10月5日(土)、10月6日(日)の2日間、学生が制作した作品を名古屋市科学館 生命館地下2階 サイエンスホールにて展示しました。
 この2日間は、工作・実験を通じて科学を学ぶ「青少年のための科学の祭典2024・名古屋大会」も開催され科学館の入館料が無料ということもあり、多くの来場者が訪れました。作品は、PCを使ったゲームやクイズなどプログラミングの作品が中心ですが、VRゴーグルやプロジェクターを使ったマルチ画面など最新のガジェットを使ったものからカードゲームといったアナログの作品など、バラエティ豊かなものとなりました。
 作品の一部は、2024年10月12日(土)~17日(木)にナディアパーク2階 アトリウムでも展示の予定です。ぜひご覧下さい。

先端メディア表現コース 加藤良将 講師

 今回の展覧会は、名古屋市科学館、ナディアパークと連携する2回目の展覧会になります。授業の中にプログラミングがありそれを使った作品であったり、映像やカードゲームなどもあり、楽しいものになっています。昨年との違いとしては、前回は映像作品が多くありましたが、今回はプログラミングを得意とする学生が多く、操作して楽しむインタラクティブな作品が多いかなと思います。マウスを操作して進めて行くような作品が多く、対象となる年齢層が少し上がっているかもしれませんが、より深く楽しめる作品が増えていると感じます。VRゴーグルなど新しい機器を使った作品もありますが、実は僕は一切教えていなくて、学生が自主的に学習して制作したものです。作りたいものがあり、それを自分の手で作っていけている。このことがとても良かったと思います。

メタルガッチャ ~金属を学べるカードゲーム~

森田隆太郎さん

 金、銀、銅、鉄、アルミ、ニッケルなどの金属カードと、ハンマー、磁石、火炎など金属を変質させるアイテムカード、ステンレス(鉄+クロム)、青銅(錫+銅)などの合金カードを使い、自分や相手の金属カードを変質させてポイントを競うカードゲーム。
 「周りがプログラミング作品ばかりでしたので、あえてアナログのゲームを作ってみました。小学生でもすぐに遊べるようにルールを簡素化して、わかりやすくするように意識して作りました。もちろんデジタル系のことも好きなんですけど、小学生の頃から図画工作というか手作業で作ることが好きで、今回の制作はやっていてとても楽しかったです」とのこと。実際に子どもたちが引っ切りなしにブースを訪れゲームを楽しんでいました。親御さんからも「これはどこで買えるの」や「ぜひ、販売して欲しい」といった声も聞かれ、笑顔で対応していました。

パンはどうしてふくらむの?

廣瀬美颯さん

 PCとプロジェクターを使い2枚のモニターでパンを作りながらどうして発酵して膨らむかを解説する作品。遊ぶ人は電子ペンを手に、混ぜたりこねたりする動作をしてパン作りを体験します。電子ペンの操作を赤外線で認識し、もう一つの画面で説明を表示します。
 「私はパンが大好きで、どうしてパンが膨らむのかをテーマに作品を作りました。手元の画面はプロジェクターで投影していますが、ペンの操作を認識して作業したりページがめくれるようになっています。プログラミングはあまり得意ではないのですが、先生に聞いたり調べたりしながら作りました。できあがって感動しました。実際に子どもたちも思った通りの反応をしてくれて、とても良かったです。保護者の方からは、どうやって動いてるの? と仕組みについても質問されました。たくさんの人に体験してもらえ、とても良い経験になりました」。

音の方向を感じてみよう

加藤陽介さん

 VRゴーグルを使った作品。ゴーグルを装着すると現れる球体を手で掴んで動かします。球体の方向から音が鳴り、音の方向性を体験します。遠ざけたり近づけたりしても音は変化し、耳のすぐ近くに移動させると頭の中で音が鳴っているような感覚になります。
 「初めて触ったソフトだったので制作は難しかったです。でも、思っていたよりもいいところまでできたかなと思います。最初はコントローラーで操作してもらうことを考えていましたが、ハンドトラッキング(ユーザーの手の動きをリアルタイムに検知・認識する技術)が使え、直接、球体を触ってもらうようにして気軽さができたのかなと思います。ハンドトラッキングまで作れると思っていなかったので、上手くいって良かったです。僕はVRのゲームとかあまり興味はなく、どちらかというと没入感よりも日常生活に入り込んで来るものに興味があります。スマホの延長線上にあり使えるもの、そういったものに作っていけたらと思います」とユニークな体験型のアトラクションを制作、子どもだけでなく大人も順番の列に加わり大人気となりました。