産学連携企画 中部文具工業協同組合「2021 文具デザインプロジェクト」キックオフミーティングを開催

 2021年6月9日、西キャンパスB棟大講義室にて、本学と中部文具工業協同組合加盟の文具メーカー3社との産学連携企画、「2021 文具デザインプロジェクト」の1回目のミーティングが行われました。このプロジェクトは、デザイン領域の学生が受講する「デザイン実技Ⅳ」の講義で、3年次までに習得したデザイン技術や知識を用い、商品や製品の企画、調査、開発、製造、販売までを見据えデザイン提案を行うという実践的な内容の講座。文具メーカーで実際に開発を担当する方とディスカッションを行い、実際に製品化できるようにアイデアをブラッシュアップし、場合によっては本当に製品化も行われる夢のあるプロジェクトです。今回の授業では、メーカーと学生の顔合わせと課題テーマの発表が行われました。参加の企業は、ホワイトボード・黒板・チョークなどの製造を行う株式会社 馬印様、スタンプ・ネーム印でおなじみのシヤチハタ株式会社様、デスクマットやコロナ対策のパーティションなど樹脂製品の製造を行う森松産業株式会社様の3社。学生らには、あらかじめ希望を聞き取り、6名ずつの3つのチームに割り振られました。

 講座のはじめに、担当する三枝樹成昭講師からプロジェクトの目的、デザインプロセスの説明が行われました。学生には自由な発想で製品企画の提案を行って欲しい、また、実社会で製品やサービスの開発にあたりデザイナーがどんな役割を果たしているかを実体験として感じ取って欲しいと説明しました。参考として、これまでプロジェクトで提案された作品の紹介があり、実際に製品化された作品なども紹介されました。

 続いて、各社から会社の概要説明と課題の発表が行われました。課題は、馬印「コロナ後のカキ・コミュニケーション、(サブテーマ)つながる黒板・ホワイトボード」、シヤチハタ「もともとの価値を拡張した文房具」、森松産業「自分の仕事環境を作る フリーアドレス快適化グッズ」です。
 馬印の「コロナ後のカキ・コミュニケーション」では、製品の機能、性能、効能をポイントとしてよく考え、既存の黒板やホワイトボードをアナログ的に活用するような製品を考えて欲しいと要望が出されました。シヤチハタ「もともとの価値を拡張した文房具」では、これまでのシヤチハタ製品がインクと印鑑のように2つの機能を組み合わせることで生み出してきたことを説明し、本来の文房具の機能に別の関連する機能を付け加え、より便利に使えるデザインを考えるように課題が出されました。森松産業「自分の仕事環境を作る フリーアドレス快適化グッズ」では、オフィス内で自分のデスクを固定しないフリーアドレスの説明をしつつ、メリットとしてコミュケーションの活性化・オフィス面積の削減、デメリットとして集中しづらい・収納スペースの縮小などを挙げ、デメリットを小さくしメリットを強化するようなものを考えて欲しいと説明がありました。いずれの課題も、製造コストを考慮し、場合によっては特許などについて調べ、アイデアのみを優先した荒唐無稽なものではなく、実現可能なところまで落とし込んで欲しいと要望がありました。

 授業の後半では、チームごとに分かれ、担当者とディスカッションが行われました。学生の自己紹介にはじまり、製品カタログを閲覧しつつ今後の進め方やSNSを使った連絡方法の確認などが行われました。すでに考えているアイデアを担当者にぶつけてみる学生もおり、早くから具体的なディスカッションが始り、今後への期待が高まります。
 次回からの予定では、毎週、各社の担当の方に本学に来ていただき、学生は週ごとの成果を説明しながら打ち合わせを行い8週間で提案を完成させることになります。チームごとに会社訪問や製造現場見学なども交え、アイデアを詰めて行くことになります。2ヶ月後、終の講義では、全体でひとりひとりがプレゼンを行い最終審査が行われます。どんなアイデアが出てくるか、とても楽しみです。