名古屋西文化小劇場連携事業 室内オペラ公演「魔笛」を開催しました

2017年2月24、25、26日の3日間、名古屋西文化小劇場にて、本学と名古屋西文化小劇場との初めての連携事業、オペラ公演「魔笛」を上演しました。名古屋市文化振興事業団ではオペラ公演を「普段、敷居が高く思われがちなオペラを身近の小劇場で」というコンセプトで開催を続けており、今年度から本学が連携することになりました。上演された「魔笛」は子供から楽しめる冒険活劇で、身近なオペラということに適ったものです。さらに「イママデミタコトナイ」というキャッチコピーにふさわしく、舞台背後のスクリーンいっぱいに映像を上映。オーケストラの音楽とソリスト達の歌唱、そしてそこに映像を加えた斬新な演出が試みられています。今回のオペラ公演は、初日24日(金)が学部学生公演、25日(土)が教員・卒業生公演、26日(日)が大学院生・学部学生選抜公演となり、観客はくらべて見ることが楽しめ、また、出演する学生にとっては、教員と一線で活躍する卒業生の音楽的技術を間近に見られる非常に良い機会となりました。

25日教員・卒業生公演での配役は、ザラストロ パクチー(名芸男子MGD!)、タミーノ 中井亮一(教員)、夜の女王 つじ村ふみ恵、パミーナ 久野絵里、パパゲーノ 澤脇達晴(教員)、パパゲーナ 成田七香。モノスタトス役の加藤市之亟サンタマリア(名芸男子MGD!)氏は体調不良のため、急遽、学部学生でも出演の平野友洋さんが代役を務めました。スタッフは、総監督・演出がパパゲーノ役でもある澤脇達晴、指揮 髙谷光信、映像監修 飯嶋慶太郎、演奏 名古屋芸術大学オーケストラ、という顔ぶれになりました。

序曲が始まると、スクリーンには宇宙の映像が映し出され、本来の舞台エジプトから時代も場所もエジプトとは異なる宇宙の別世界に設定されていることが伝わります。日本の古代や映画スター・ウォーズを思わせる衣装のキャストが登場すると、演出のユニークさがさらに際立ちました。導入から、ライトセーバーの立ち回りがあり、物語の世界にあっという間に引き込まれ、スクリーンに大蛇が映し出されファンタジーの世界が始まりました。タミーノと3人の侍女の歌唱が始まると、演劇的な面白さだけではないことを観客はすぐに感じ取ったようで、じっと集中していす。すると、会場からパパゲーノが登場、再び演劇的な要素にぐっと引き込まれ、コミカルな狂言回しの役割と「私は鳥刺し」の歌唱に心を掴まれました。第1幕では、観客達は音楽的な要素と演劇としての要素、行き来しながら翻弄されるように揺さぶられ、舞台を楽しみました。タミーノの「なんと美しい絵姿」には観客はうっとりと、第1幕の夜の女王のアリアでは「ブラボー!」の歓声がいくつも飛び、大きな拍手がわき起こりました。

休憩を挟んで、第2幕。荘厳さが印象的だったザラストロと合唱、パミーナを誘惑するように歌うモノスタトスと、じっくりと音楽を聴かせる構成です。そして、夜の女王のアリア「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」では再び大きな拍手がわき起こりました。そして、パパゲーノとパパゲーナの「パパパの二重唱」、フィナーレの合唱となり、拍手はいつまでも鳴り止みません。観客をすっかりオペラを堪能したようでした。

終演後、キャスト達はロビーに並び、観客をお見送り。大盛況のうちに終了となりました。

ポスターのキャッチコピーは「イママデ ミタコトナイ」。序曲では背後に宇宙の映像が映し出され、普通の魔笛ではないことが示唆されます

タミーノがライトセーバーで立ち回り。ファンタジーの世界が始まります

3人の侍女とタミーノ

コミカルなパパゲーノを澤脇達晴教授が熱演。観客の心を掴みます

パパゲーノは、大蛇からタミーノを救ったのは自分と嘘を

夜の女王登場。1曲目のアリア

パミーナを誘惑しようとするモノスタトス。平野友洋さんが3日間とも出演

ザラストロと合唱、荘厳に響きます

夜の女王のアリア「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」

試練を乗り越え結ばれるタミーノとパミーナ。祝福の合唱

フィナーレ