「有松絞りまつり」にテキスタイルデザインコースの学生・卒業生が出品しました

2017年6月3日(土)、4日(日)の両日、名古屋市緑区有松で開催された「第33回有松絞りまつり」で、テキスタイルデザインコースの学生たちが作品の一般販売を行いました。これは、有松・鳴海絞りの伝統技法を活用し、生地の染めから作品販売までの工程を体験する産学連携授業の一環として行われているもので、デザイン学部特別客員教授の若林剛之氏のテキスタイルブランド「SOU・SOU」と有松絞りの伝統技法をいまに受け継ぐ「久野染工場」、「張正」の協力のもと、今年で7回目を迎えました。2日間で10万人もの来場者がある有松絞りまつり。学生たちの出店にも、たくさんのお客さまが訪れました。

学生たちが授業を通じて制作した板締め絞りの手ぬぐいは、藍染めの青とカラフルな柄の2種類。それぞれ10枚ずつを、まつり会場の一画に店を構える「張正」と「まり木綿」で販売しました。学生たちは、手ぬぐいをアレンジした衣装に身にまとい、熱心に接客しながら販売しました。会場を提供した「まり木綿」は、テキスタイルデザインコースの卒業生・村口実梨さんと伊藤木綿さんによる染めユニットで、新しい有松絞りの世界を楽しんでもらいたいと、有松で制作と販売を行っています。手ぬぐいをはじめ、ワンピースや袋物など、板締め絞りに特化したカラフルでポップな商品にはファンも多く、引っ切りなしにお客さんが訪れ、こちらも大変な賑わいをみせていました。

ほかにも、本学の学生や卒業生らが多数、有松絞りまつりに参加しました。寿限無茶屋の駐車場に設けられた、現代の暮らしに根ざしたものづくりを目指す作家によるマーケットイベント「A STOREHOUSE」では、知多木綿絞りのキッチンクロス、ハンカチ、ストールなどを販売する卒業生・泉奈穂さんの「samio」が出店。訪れたお客さまに一品ずつ丁寧に説明しながら販売していました。また、株式会社スズサンが運営する「有松アトリエ」では、卒業生の池田麻理子さんが絞りの技法を使った商品を販売しました。池田さんは、廃業した銭湯、東湯を活用したギャラリーに、作品を出展しました。スズサン店舗では、大橋真希さんがアパレルやインテリアなどさまざまなスズサンのオリジナル商品の販売を行っていました。いずれも高級感があふれ、鮮やかな色合いと繊細な手触りが印象的でした。さらに、名古屋帽子協同組合のブースでは、昨年9月「第33回 尾張名古屋の職人展」で披露された、名古屋帽子協同組合、中部日本ネーム刺繍業組合との産学連携プロジェクトで制作された帽子の展示を行いました。併せて、いち早く製品化された卒業生のデザインによる帽子の販売も行われました。

いずれの店舗でも、絞りを使ったお召し物のお客さまが多く来場し、たくさんの有松・鳴海絞りを応援してくれる方々の存在を感じました。学生や卒業生たちのこれからの活躍に期待が高まります。

旧東海道は、大勢の来場者で賑わいました

「まり木綿」お店の横で作品を販売するテキスタイルデザインコースの学生たち

「まり木綿」お店の横で作品を販売するテキスタイルデザインコースの学生たち

「張正」では藍染めの手ぬぐいを販売

「まり木綿」(左から)村口実梨さん、伊藤木綿さん。お店は終始大賑わい

名古屋帽子協同組合のブースでは、学生たちがデザインした帽子を展示

「samio」の泉奈穂さん

「有松アトリエ」 池田麻理子さん

「suzusan」 大橋真季さん

廃業した銭湯、東湯で作品を展示。「風呂屋にて」池田麻理子