今年度、美術領域 アートクリエイターコース(陶芸・ガラス、コミュニケーションアート)、デザイン領域 テキスタイルデザインコース、メタル&ジュエリーデザインコースでは、工芸分野、美術とデザインの領域横断連携を押し進めています。「工芸から グリーンシティプロジェクト」も連携の一環で、大学来訪者や教職員のための宿泊施設“グリーンシティ”の住環境の改善をテーマに、作品を制作しています。昨年度は、作品をアート&デザインセンターにて展示を行いましたが、今年度はグリーンシティ 現地に展示することとなりました。2021年10月5日、6日、7日の3日間でしたが、貴重な展示となりました。

 グリーンシティは1974年に建てられたマンション。本学の宿舎として使われているのはB棟2階の206号室、4LDKの間取りです。その部屋のあらゆる場所、お風呂やトイレにまで作品が飾られています。今年度のテーマとなっているのが「安心感」で、プロジェクトに参加する学生らが話し合って決められ、ゆったりとくつろぐことのできる空間になるよう作品が制作されています。本来、装飾の少ない簡素な作りですが、部屋のあちこちに作品が置かれ、コンセプト通りほっとできる空間になっています。思わぬところに小さな作品もあり、遊び心を感じさせます。また、作品は工芸分野3コースの学生によるものが中心ですが、近隣のイラストマップなどヴィジュアルデザインコースやライフスタイルデザインコースの学生の作品もあり、今後の広がりを期待させるものとなりました。
 アートクリエイターコース 中田ナオト准教授は「実際の住空間の中に作品を置くことは、アート&デザインセンターなどギャラリースペースでの展示とは異なり、展示方法の工夫が必要であり、また作品そのものがどうあるべきかを考えることにもつながった。学生だけでなく教員にとっても貴重な経験になりました」と感想を述べました。
 見学に訪れたデザイン領域 ライフスタイルデザインコース 萩原周 教授も「芸術大学が用意する宿舎として、来訪者をもてなす場所にふさわしくなった」と展示を楽しんでいる様子でした。

 展示は2021年10月7日までとなりますが一部の作品はこのまま部屋で使われ、来訪者を楽しませることになります。