テキスタイルデザインコース 「JAPAN YARN FAIR & 総合展 THE 尾州」に出展、学生作品3展が「ジャパン・テキスタイルコンテスト2022」学生部門 シーズ賞を受賞

 2023年2月16日、17日で開催された「JAPAN YARN FAIR & 総合展『THE 尾州』」にテキスタイルデザインコースが、2022年夏に開催された国際芸術祭「あいち2022」パートナーシップ事業のいちのみや芸術商店街で制作したテキスタイル作品を展示、また、同時に開催された「ジャパン・テキスタイルコンテスト2022」に学生が出展、テキスタイルデザインコース 4年 江口桃世さん「ぽい字」、納家順さん「経験」、3年 細江優花さん「Neon」がシーズ賞を受賞。さらに学生がデザインし、一宮の「匠ネットワーク」の支援により生地と衣装を制作する「翔工房」に3年杉山春花さんが参加、その成果を展示。織物工場で織機の操作を行い、自らの企画でものづくりを実践する「尾州の匠ものづくりリレー」には4年山路芽衣さんが参加、完成したテキスタイルを発表しました。  一宮市のブースでは、「いちのみや芸術商店街」の取り組みについてパネルで紹介。制作したテキスタイル作品の「祈織(いのり)」とBOXアートの一部を展示し、アート作品で会場を彩りました。
 「ジャパン・テキスタイルコンテスト2022」は次代のテキスタイル産業を担う人材の発掘・育成を目的とする、国内では貴重な、デザイン画ではなく現物生地によるコンテスト。江口さんの「ぽい字」は、“字”をモチーフにした大きな柄とかすれが洗練された印象の型染による浴衣生地。浴衣に仕立てたらさぞや、と想像させる作品です。納家さんの「経験」は、素直に気持ちを表現した作品で、様々な模様をカラフルな色彩の友禅染めで表現、刺繍も加えた華やかな作品。ポップな仕上がりが印象的です。細江さんの「Neon」は、夜のネオンをイメージしたカラフルな織物。反射する素材も用い、色彩感覚が高く評価されました。
 「翔工房」の杉山さんの作品「冬のダイヤモンド」は、光を反射する糸を織り込んだチェックのテキスタイル。レトロテイストのあるワンピースとして仕上げ、カチューシャやバッグなどの小物と合わせ、お洒落な作品となりました。会場では、事前に一宮ファッションデザインセンターで行われたファッションショーの様子も流され映像に見入るお客さんも見受けられました。 「尾州の匠ものづくりリレー」の山路さんの作品「陶冶」は、明治時代の工芸品に用いられた超絶技法がモチーフ、繊細さと華やかさがテーマとなっています。深みのある色合いの素材を使いイメージ通りの重厚できらびやかな仕上がりの生地となりました。

 これらの展示に加え、16日の午後には、例年有松絞り手ぬぐいブランドプロジェクトでお世話になっているSUZUSANクリエイティブ・ディレクター村瀬弘行氏のスペシャルセミナー「手元の魅力・日本の価値の伝え方」が開催されました。会場に詰めかけた多く受講者とともにテキスタイルデザインコースの学生もセミナーを受講しました。学生にとって通常の講義でも馴染み深い村瀬氏のお話ですが、留学からSUZUSANを起業するまでの経緯や、商品開発に関する「素材」「技術」「要素」の組み合わせの考え方、SUZUSANが顧客のターゲットとして考える日本にとらわれない「冷蔵庫に醤油の入っていない人」といったマーケティングの考え方など、あらためて、伝統を現代へつなげるための方法を考えさせられる意義深いセミナーとなりました。

「ジャパン・テキスタイルコンテスト2022」受賞作品

翔工房

尾州の匠ものづくりリレー