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2014年度『シヤチハタ×名古屋芸術大学』産学連携活動  商品企画特別講義が行なわれました

 デザイン学部ヴィジュアルデザインコース3年生が、デザイン演習II-2(MC)VD(担当:永井瀧登講師)にて、スタンプ・文具の国内大手メーカー「シヤチハタ」と協働し、若年層に向けたスタンプの活用、利用拡大提案の考察を行い、事業化を試みる活動が昨年に引き続きスタートしました。この取り組みの一環として、商品企画を行う上で重要な、コンセプトメイクやターゲット設定などを学ぶ特別講義が、2014年9月30日(火)、本学西キャンパスで行なわれました。

 講師にシヤチハタ株式会社海外企画部部長の清水孝洋氏をお招きし、早速、<課題についての説明>が始まりました。課題は「スタンプを使った新たな使用シーンもしくは既存の使用シーンに新たなコミュニケーションを創造し、用途を考慮した印面デザインを作成する」ことです。

 冒頭、シヤチハタの会社案内がありました。何を作っている会社なのか。創業と成長を支えた商品や、シヤチハタの技術が活かされているもの、また、本社や事業所(海外含む)などが紹介されました。

 続いて、商品の企画について、どのようにしてニーズを見つけるか、について事例を挙げながら詳しい説明が行われました。未充足ニーズの解説では、ニーズを三つの階層に分類して説明されました。その階層とは、最上位に “○○になりたい”といった「Beニーズ」(存在ニーズ)が位置し、中間には“△△したい”という「Doニーズ」(行為ニーズ)、最下層には“××が欲し”という「Haveニーズ」(所有ニーズ)の順に構成されています。多くの企業が、最下層の“××が欲しい”のニーズに応えた商品を提供しがちですが、上位ニーズの“△△したい”を開発対象ニーズと捉え、消費者の“何をしたいか”を叶える商品こそ、新市場創造商品に成りえる可能性が高いと清水氏は言います。

清水氏によると、商品企画の理想型は「新市場創造商品(M.I.P:Market Initiating Product)」の開発だと言います。それは、それまで市場に無く、生活上の問題を解決し、生活変化をもたらす商品のことで、その先発商品が市場のシェアナンバーワンを獲得し、長期間にわたりそのシェアを保つ確率が、後発商品に比べて非常に高いことがデータ的にも実証されているからです。

 このM.I.Pを作ることを意識して、これまでに企画・開発・販売された商品事例や、ここから得られた内容が成功事例として紹介されました。事例研究の目的は偶発的であれ計画的であれ、生まれた成功事例に基づき、成功要因を学び、次の「成功商品」を「計画的」に、かつ、成功の確率を上げて活用することにあるからです。

 次に、成功商品の定義についての説明がありました。成功商品としてあげられる商品には、大きく2つの種類があり、市場内包型成功商品と市場拡大型成功商品です。市場内包型成功商品は、既存市場の他社・自社のシェアに影響を与えながらも企業の収益性を高めるもの、市場拡大型成功商品は、既存市場の他社・自社のシェアに大きく影響することなく消費者に新たな生活をもたらし、企業のみならず経済の発展に寄与するもの、とのことでした。

市場拡大型成功商品として、2002年に発売された同社のヒット商品「おなまえスタンプ」が紹介されました。この商品は「持ち物に名前を書きたい」という従来からのニーズに、「キレイにカンタンに書きたい」という新たなニーズを合致させたもので、「書きたいときに、キレイにカンタンに名前を書ける」というコンセプトで開発されました。2011年度まで順調な販売実績を誇っています。10年くらいコンスタントに売れるものが成功商品といえるとのお話でした。

また、2012年に発売されたペットボトルに取り付ける鉛筆削りの「ケズリキャップ」なども紹介されました。削りくずをたっぷりためて一度にポイすることができる便利な鉛筆削りです。これらの商品はいずれも実在するニーズに応えたものといえます。

最後に、本質を突き詰め、無駄を省く、魔法の言葉『要するに』について、「要するに削れればよい」「要するにそのまま捨てればよい」「要するに売れればよい」「要するに分かればいい」などを解説されて講義を終えられました。

 

講義をするシヤチハタ清水氏 講義をするシヤチハタ清水氏
成功商品の2つの定義 成功商品の2つの定義
Doのニーズに応える 事例 Doのニーズに応える 事例
シヤチハタのヒット商品「おなまえスタンプ」 シヤチハタのヒット商品「おなまえスタンプ」
特別講義の受講風景 特別講義の受講風景