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第42回名古屋芸術大学卒業制作展記念講演会  ナガオカケンメイ氏による記念講演会が開催されました

 

ナガオカケンメイ氏 ナガオカケンメイ氏
ナガオカ氏が原点とするフリーペーパー ナガオカ氏が原点とするフリーペーパー
開店当時のD&DEPARTMENT 開店当時のD&DEPARTMENT
12社が参加した60VISIONのビジュアル 12社が参加した60VISIONのビジュアル
満席となった会場の様子 満席となった会場の様子
講義終了後の質疑応答の様子 講義終了後の質疑応答の様子

2015年3月3日(火)~3月8日(日)にかけ、愛知県美術館ギャラリー(愛知芸術文化センター8階)ほか3会場で「名古屋芸術大学卒業制作展」が開催されました。今年で42回目を数えるこの卒業制作展は、それぞれの学生にとって長年の研鑽の総括であり、次のステップを踏み出すための覚悟の表明の場です。美術・デザインの可能性を信じ、未来に向かって力強く羽ばたこうとする学生たちの個性の集積を、多くの方々にご覧いただく機会となりました。

 

この卒業制作展を記念して、会期中の3月7日(土)には、アートスペースA(愛知芸術文化センター12階) で、卒業制作展記念講演会が行われました。講演には、デザイン活動家・D&DEPARTMENTディレクターのナガオカケンメイ氏を招いて、「デザインしないデザイン」をテーマに講義をしていただきました。

 

ナガオカ氏は1965年北海道に生まれ、高校卒業まで愛知県で過ごされました。講義に先立ちナガオカ氏は「愛知は私の故郷です。だからこそ、愛知のデザインに対しては辛口ですよ(笑)」と会場を沸かせました。

 

講義では、今年50歳を迎えられたナガオカ氏が、デザイナーとしてスタートを切った18歳を起点に、グラフィックデザイナーとして腕を振るった日本デザインセンター時代や、ロングライフデザインをテーマにしたストア「D&DEPARTMENT」を始められたきっかけ、60年代の廃盤商品をリ・ブランディングする「60VISION」への取り組み、47都道府県をテーマにした物販、飲食、出版、観光など、47の日本の「らしさ」を見直す活動まで、年齢ごとに体験した出来事としてまとめ、スライドとお話しで丁寧に解説されました。

 

「デザインは、デザイナーのおもちゃではない」、「本当に価値のあるデザインは再利用され続ける」、「新しくデザインをおこさない、いいデザインを広めるのもデザイナーの仕事」といった、独立後にスタートした「D&DEPARTMENT」での経験や「60VISION」から学んだという、デザインに対する正直な姿勢がとても印象的でした。また、「(伝統工芸から学ぶ)土地ごとに個性的なデザインがある、デザインは東京だけのものではなかった」、「ただ、かっこいいだけのデザインは無意味」、そして結びの「生活者もデザイナーになれ、デザイナーも、生活者になれ。」は、これからクリエイティブの世界に挑む学生たちにとって、先人からの貴重なアドバイスとして、きっと心に沁みわたったに違いありません。講演会を終えられたナガオカ氏に、客席から惜しみない拍手が送られました。

 

最後に、講義の中で、本卒業制作展に参加した学生へ向けたナガオカ氏からのアドバイスをご紹介します。

 

31歳で独立し、D&DEPARTMENTの前身であるデザイン会社「DRAWING AND MANUAL」を設立したナガオカ氏。「この当時、フリーペーパーの刊行や中古品のリサイクル、リペアした商品を販売するショップをスタートしました。このとき発行し続けたフリーペーパーが、私の原点だと感じています。皆さんも、この卒業制作で作った作品が原点になる可能性があります。その作品を毎日のように見て、そこから新しい発想をするとか、それを土台に作り続けることができれば、後でものすごく説得力を生みだしてくれますよ。自分の原点だという意識をもって大切にしてください。」