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ジャズ・ポップスコース、シンガーソングライター、音楽プロデューサー高野寛氏の公開講座を開催しました

12月15日(木)、東キャンパス2号館大アンサンブル室にて、シンガー・ソングライター、ギタリスト、音楽プロデューサーである高野寛氏による公開講座を開催しました。

 

高野氏は、大学在学中、高橋幸宏、鈴木慶一主催の「究極のバンド」オーディションに合格、88年に高橋幸宏プロデュース「See You Again」でソロデビュー、90年にはトッド・ラングレンプロデュースによる「虹の都へ」がオリコン2位の大ヒット、続くシングル「ベステン ダンク」(トッド・ラングレンプロデュース)もオリコン3位になるなど、ヒットメイカーとして広く知られるようになります。ソロ活動以外にも、オリジナルラブの田島貴男、矢野顕子、坂本龍一、忌野清志郎、一青窈、MISIA、宮沢和史など他のミュージシャンとのコラボレーション、サウンドプロデューサーして小泉今日子、森山直太朗、大貫妙子、柴咲コウなどの作品を手がけるなど、第一線で活躍されています。今回の講座は、ソングライティングからプロデュース、さらにプロの現場について、「皆さんの質問に、答えます。」と銘打ってトークが行われました。

 

講座のはじめに、担当のジャズ・ポップスコースの教授上田浩司からプロフィールの紹介がありました。紹介もそこそこに高野氏が登場すると、早速、ギター1本でデビュー曲の「See You Again」を披露。瑞々しい歌声に会場はすぐに引き込まれました。大学時代に作った曲とのことで、音楽家を目指す学生にとってふさわしいのでは、ということでした。

 

トークは、あらかじめ集められていた学生からの質問に答える形で進められました。高野氏が事前に用意したスライドに合わせて話をし、上田教授や会場の学生が補足して質問するという形式です。作詞についての質問には言葉遊びからはじめてみようということで、各自名前の文字を「あいうえお作文」して詩を作ってみようと会場の学生にも参加させました。できた詩を集め読み上げ寸評を加えると、会場から笑い声が起こっていました。この後、文学である「詩」とリズムに乗せる「詞」との区別、日本の「七五調」についてと、作詞に必要な要素を明確に説明しました。七五調のところではPerfumeの「ポリリズム」(詞・曲:中田ヤスタカ)が完全に七文字と5文字の単語からできていることを音楽と共に確認するなど、非常にわかりやすく楽しいものでした。

曲作りに関しては、一度に全部作る必要はなく、思いついたメロディの断片をボイスレコーダーやノートにメモするなどして集めておき、それらをヒントに作っていることなどが説明されました、普段使っているアイデアをメモしたノートにはたくさんの付箋が貼られていて、プロぼ創作の一部を見ることができ、興味深いものでした。

作詞や曲作りについては、作曲活動を行っている学生の創作方法や苦労などを聞きつつ、いろいろなことに関心を持ち「人生経験」を豊かにすることが大切だと話しました。

メロディとアレンジの話では、アントニオ・カルロス・ジョビン作曲の「One Note Samba」を聴かせ、シンプルなメロディでもアレンジ次第で素晴らしい曲になることを示しました。

作曲家になるためには、現在活躍しているミュージシャンとそのミュージシャンが影響を受けた人、さらに溯って……、と幅広く音楽を聴くことの重要と話し、憧れのアーティストを研究して「模倣と学習、分析」を繰り返し学んでいくことが大切だと説明しました。最近では、プロのミュージシャンでも洋楽を聴きいている人が減りつつあり、より幅広い音楽を聴いてみることが勧められました。

プロデューサーの仕事としては、自身がプロデュースを受けた高橋幸宏とトッド・ラングレンを例に出し、仕事の内容や考え方の違いを説明することでプロデューサー役割を考え、また、プロとして活動できているのは、いろいろな人との繋がりによって成り立っており、そういった繋がりが大切だと話しました。

高野氏にとって音楽とは何? という質問には、「生きるのになくてはならないもの、仕事であり最高の趣味でもある」として講義は終わりました。

 

実際に音楽を比較して聴き比べたり、学生をひとりのクリエイターとして扱い真摯に耳を傾ける様子など、誠実さとわかりやすさが印象に残る講座となりました。

デビュー曲「See You Again」を披露。大学時代に作った曲 デビュー曲「See You Again」を披露。大学時代に作った曲
事前に寄せられた質問に答える形式でトーク開始 事前に寄せられた質問に答える形式でトーク開始
作詞の手始めとして言葉遊び。会場も一緒に名前を使った「あいうえお作文」を行う 作詞の手始めとして言葉遊び。会場も一緒に名前を使った「あいうえお作文」を行う
学生からできあがった作品を回収、読み上げると笑いが起こる 学生からできあがった作品を回収、読み上げると笑いが起こる
Perfumeの「ポリリズム」は完全な七五調であることを説明。曲を聴きながら確認 Perfumeの「ポリリズム」は完全な七五調であることを説明。曲を聴きながら確認
自分の創作用のメモ帳を披露。書き込みと付箋がいっぱい 自分の創作用のメモ帳を披露。書き込みと付箋がいっぱい
即興で保存してあった曲の断片とセッション。曲ができあがっていくプロセス 即興で保存してあった曲の断片とセッション。曲ができあがっていくプロセス
[Alexandros]([Champagne])と彼らが影響を受けたOasisの曲を聞き比べ [Alexandros]([Champagne])と彼らが影響を受けたOasisの曲を聞き比べ
その場での質問も受け付け、丁寧に応える その場での質問も受け付け、丁寧に応える
講座終了後も、熱心な学生からの質問に答えていました 講座終了後も、熱心な学生からの質問に答えていました