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特別客員教授 檜原 由比子氏のワークショップがスタートしました

本年度もデザイン学部特別客員教授の檜原 由比子(ひはら ゆいこ)氏によるワークショップがスタートしました。ヴィジュアルデザインコースのデザイン実技Ⅳにて、4回に分けて実施されます。最終週(7月20日)は、オープンキャンパスの公開講座として、高校生やその保護者など、来場者を交えた作品プレゼンテーションと講評会も行ないます。 その1回目となるオリエンテーションが、2014年4月18日(金)、西キャンパスB棟デジタル工房で開催されました。最初に、担当教員の永井瀧登講師から講義の進め方についての話があり、その後、檜原由比子氏より今回の課題の説明が行われました。テーマは『「Japan Design」をテーマにしたあなたのお店のスイーツ』でした。 檜原由比子氏は、株式会社 資生堂 宣伝制作部 クリエイティブディレクターで、1983年、武蔵野美術大学芸能デザイン学科卒業、1985年、東京藝術大学形成デザイン学科大学院修了、同年、株式会社 資生堂 宣伝制作部入社。ADC賞をはじめ、準朝日広告賞、日本空間デザイン大賞、グッドデザイン賞など、多数の受賞歴を持っておられます。ご自身の簡単なプロフィールの紹介の後、早速、オリエンテーションに入りました。 今回の課題は、『グループに分かれて架空のスイーツショップ考える。そのお店が国際スイーツ展(テーマ:Japan Design)へ出展する。そこで、お店オリジナルのJapan Designをテーマにしたスイーツをブランディングし開発する。最終的に展示会場でのブースをイメージして制作を行い、その過程でJapan Designの基礎となる「日本の美意識」について考察する。』というものです。 授業のねらいは、身近な「スイーツ」を「Japan Design」という少し敷居の高いテーマで取り組み、日本人である自分の足下を再確認し、さらにブランドという意識で視野を広げ、企画を考える発想力とそれを具現化するクリエイティブ力を高めることにあります。 最終的な制作物、オープンキャンパスで展示する全体デザインは、以下の4点を挙げられました。 ① 展示ブース(空間デザイン/POP/ディスプレイデザイン) ② 商品(Japan Designをテーマにしたスイーツ/モック) ③ 情報伝達ツール(CI/パッケージ/店頭ツール/etc...) ④ 展示の解説ボード(お店のコンセプトの説明/スイーツのブランディング説明) この後は、今回のワークショップで重要なポイントとなる「ブランディング」について、「お店のブランディング」と「Japan Designのスイーツのブランディング」に関して、詳しく解説講義してくださいました。 最初に、ブランドとは?から始まりました。ブランドの語源は牛や馬につけていた「焼き印」で、そこから転じて、会社や商品に対する「目印」を意味する言葉になり、現在では、「人の頭の中にあるイメージの総体」であると。次に、ブランディングとは?では、世の中では色々な言い方がされている。たとえば「ブランドに対する共感や信頼など、お客様にとっての価値を高めていく戦略」、「消費者の心の中に、そのブランドに対する好感をつくること」、「好きになってもらうこと」、「世界観を作ること」などと解説されました。お客様の目線で見ると、商品の背景には広範囲にわたる様々な情報があり、それらがイメージとなって世界観が作られ、ブランドとなって認知される。そのため全ての企業活動がブランディングの対象となるとのお話でした。 そして、ブランディングは、大きく、「企業のブランディング」と「商品(プロダクト)のブランディング」に分けられ、ブランドにおけるクリエイティブとは、「目に見えないブランドの価値を、見えるものにすること」と定義されました。 この後、ブランディングが必要になってきた背景として、物が溢れている「成熟社会」や情報が溢れている「ネット社会」を挙げられ、「商品を選ぶ基準の変化」や「心理的なイメージの重要性」などを指摘されました。ブランディングは新しいマーケティング理論で、身に付けるには多くの知識と経験が必要ですが大切なのは、お客様のことを徹底的に考えようとする姿勢です。クリエイティブを行う者は、その役割と精神性を理解する必要があります。この授業ではブランディングのしくみとお客様に対する姿勢を、体験的に学んでほしいと述べられました。 最後に、お店のブランディングについて、4つの項目 ①お店のブランド・パーソナリティー ②象徴的なお客様像 ③機能的価値 ④情緒的価値を挙げ、各項目のアイデアをキーワードで出していき、そこからお店のブランディングに必要なキーワードを抽出して、お客様に提供できる価値を探り、お店のコンセプトとしてまとめる。その具体的な手法について、映像を使って詳しく解説していただきました。 このワークショップは課題の1つとして、グループワークによる作品作りが上げられます。グループメンバーで、アイデアを練り、意見を交わしながら、1つの作品を作り上げて行くというプロセスは、実際のデザインの現場を疑似体験する良い機会といえます。異なる意見に耳を傾け、検討を重ねる難しさや、共同で1つの物を作り上げて行く喜びなど。学生たちにとっては貴重な体験です。 解説講義の後、本講座受講生のグルーピングをして、本日のオリエンテーションを終了しました。