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音楽学部公開講座 パリ エコール・ノルマル音楽院副校長によるフランス ピアノ作品の解説と公開レッスン及び交歓演奏会が行われました

2014年5月8日(木)、本学音楽学部主催の公開講座が東キャンパス3号館ホールで開催されました。この公開講座は一部と二部に分かれ、第一部は、パリ エコール・ノルマル音楽院副校長、ジャン ルイ・マンサール氏によるフランス ピアノ作品の解説と公開レッスン、第二部は、本学とパリ エコール・ノルマル音楽院との交歓演奏会として行われました。 始めに、音楽学部長山田敏裕より挨拶が行われ、本日のプログラムとジャン ルイ・マンサール氏及び通訳の中沖玲子氏(パリ エコール・ノルマル教授・本学客員教授)の紹介がありました。 マンサール先生より、「本日はフランスの作曲家ラヴェルとドビュッシーの2曲のレッスンをします」ということで、さっそく公開レッスンに入りました。 最初にレッスンを受けたのは、ピアノコース3年生の佐藤笙子さんで、ラヴェルの「鏡」より第4曲“道化師の朝の歌”をまず、彼女自身が演奏しました。 学生の演奏後に、マンサール先生より曲目の背景や曲自体の解説、演奏する上で留意する点、特に重要な箇所やリズムなどが指摘され、詳しく講義されるかたちでレッスンが進行しました。 ラヴェルの“道化師の朝の歌”は、スペイン風なメロディーとリズムが情熱的に展開されている曲で、「この曲を弾くときは、スペインの強烈な光と、濃い影、すなわち、光と影のコントラストを意識することが大切」とのお話でした。また、「スペインの音楽を語るときに欠かすことの出来ない作曲家はシャブリエで、シャブリエが1883年に作曲した狂詩曲「スペイン」を聞いてみてください」とのことで、この曲が会場で放送されました。また、「スペインの音楽を理解するために『フラメンコ』を聞いてみましょう」ということで、フラメンコの曲も流されました。 ラヴェルの母の祖国はスペインで、ラヴェル自身もスペインに近いフランスで生まれたこともあり、自然にスペインの音楽に親しんでいた背景がありました。ラヴェルの“道化師の朝の歌”には『フラメンコ』の曲の中にあるギターのリズム、また、タップやカスタネットのリズムなどが組みこまれています。「このようなリズムを理解することもそうですが、最も大切なのは曲の背景を考えて想像することです」と解説講義されました。 続いて、レッスンを受けたのは、ピアノコース4年生の河原優那さんで、課題曲はドビュッシーの「版画」より第2曲“グラダナの夕べ”でした。曲の特色やメロディー、テンポや背景などについて詳しく解説していただきました。 「この曲はドビュッシーの中でも最も官能的な曲の一つで、出だしの長いドのシャープは時を止めるような不思議な感じがします。最初のメロディーは、遠くの彼方から聞こえてくるような感じで、聞こえるけど何も見えないイメージです。その後は、リズムが大切となっています。遠くから聞こえる音と、急に近くからメロディーが出るなど対象的な動きがあります。映画を撮るときのカメラマンの動きを連想させるメロディーもあります。最後は、前のメロディーの思い出のようなイメージと考えてもらうと良いと思います。ドビュッシーの「版画」の意味は、画家が版画でいろいろな絵を描くように、音楽でいろいろなシーンを描くことを意味しています。ドビュッシーがアルベニスの「イベリア」や「ラ・ベガ」を聞いた時に、カーネーションや蒸留酒の香りを感じるといったように、眼を閉じて、この曲の背景を連想していただくと良いと思います」などと解説され、公開レッスンを終了しました。 第二部は交歓演奏会で、最初は、本学の作曲コース教授田中範康が作曲した「ピアノのための3つのMonologueより第1曲(2007年)」が、山本多恵佳氏(本学契約助手)により演奏されました。 続いて、ジャン ルイ・マンサール氏が作曲した「歌とピアノのための『4つのメロディー』より、第2曲“夜が分かつ愛”と第4曲“夜の抱く夢”」が、ソプラノ松波千津子とピアノ山田敏裕(いずれも本学教授)で演奏されました。曲の歌詞対訳は本学講師の西村和泉が担当しました。二人の愛や夢など情念溢れる情景が、ソプラノの華麗な歌声とピアノの演奏に乗って会場いっぱいに披露されました。 最後は、本学の作曲コース教授堀田秀雄が作曲した「ピアノ組曲『音の回廊』より第7番と第8番(2012年)が、山本多恵佳氏により再び演奏され、終演となりました。