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11/9(木) 大坂昌彦氏による公開講座「ジャズからポップスまで、ドラムスとアンサンブルの研究」を開催しました

2017年11月9日(木)、東キャンパス2号館大アンサンブル室で、ドラマーの大坂昌彦氏をお迎えして公開講座「ジャズからポップスまで、ドラムスとアンサンブルの研究」を開催しました。

この公開講座は、本学芸術学部芸術学科音楽領域ポップス・ロック&パフォーマンスコースの主催によるもので、上田浩司教授がホストを務め、大坂氏による演奏、トーク、学生バンドのクリニックという流れで進められました。

 

講座に先立ち、上田教授から挨拶と大坂氏の紹介がありました。「日本を代表するドラマーですが、個人的には世界を代表する超一流ドラマーだと思います。スイングジャーナル誌の人気投票では、16年間の長きにわたりドラム部門の1位を獲得し続けてきた人気と実力を兼ね備えた存在です。本日は、ライブ、レコーディング、プロミュージシャンとして、ジャズのいろいろな現場のことについてを伺っていこうと思います」と紹介しました。

 

挨拶のあと、大坂氏がいよいよ登壇。ハイハットひとつだけを使う「ミスターハイハット」を演奏しました。ハイハットをさまざまな奏法で叩くことによってひとつの曲にしてしまう、曲というよりは名人芸といえるもの。確かなリズム感と鮮やかなテクニック、1音1音の粒立ち、音切れの良さ、息を飲む演奏でした。

 

続いて、上田教授とのトークとなりました。音楽は、その音楽が生まれる時代背景や流行などと密接な関係があり、歴史を学ぶことでより深く音楽を学ぶことができると話します。本学にルーディメンツクラブ(ルーディメンツはスネア・ドラムの基本奏法のひとつ)があることに喜び、部員である学生が飛び入り参加して演奏。ことにジャズの打楽器は、米国の南北戦争にルーツをたどることができると解説し、ルーディメンツの発達と歴史を交えて説明しました。

 

さらに、芸術大学でポピュラーミュージックやジャズを学ぶ意味として、音楽を広く知るということの意義を説明しました。プロの現場では、幅広いアイデアが求められ、音楽的に広い知識があればその場でアイデアを提供できる、現場のイニシアチブを取ることができるようになること。さらに、海外のプロデューサーやアレンジャーにはドラマーやベーシスト出身者が多く、その理由として自分を抑えて他者をプロデュースすることができると説明します。

また、レコーディングやステージの現場の話として、現在、日本国内には50名以上の外国人ミュージシャンが居住しており、英語でのコミュニケーションがとても重要になってきている。ことにホーンセクションのスタジオミュージシャンには米国人が多く、スタジオでは英語が共通語となっていること。今後、こうした傾向はさらに強まり、コミュニケーションツールとしての英語が必要になってくると説明しました。

さらに、特にドラマー、ボーカリストに望むこととして、音楽についてよく知ることを強く求めました。海外のボーカリストには譜面を読める人が少なく、音楽についてよく知ることで、仮歌の仕事やCMソングの仕事など、多くの仕事の機会が増えると話します。

音楽と英語の重要性、さらに音楽を深く知るために、歴史やさまざまな芸術、教養を学ぶことがとても重要であると、トークをまとめました。

 

トークのあとは、質疑応答です。はじめに大坂氏から学生らに、ポップスとジャズどちらでやっていきたいかと逆質問。ジャズという反応が多く、満足気な笑顔を見せました。「音楽業界は、以前にくらべ芳しいものではなくなったが、その分、好きだからやっているという人が増えた。どの分野でも同じだと思うが、純粋に好きでやっている、ということが増えている」と現状を話しました。

 

最後は、2組の学生バンドが演奏を行い、クリニックとなりました。それぞれのバンドで、具体的に曲の部分を指定して修正するなどしたほか、どちらのバンドにも、丁寧に演奏することの重要性を、また、バンドのサウンド全体を見渡し、バランスを考えること、バランス感覚を養ってサウンドデザインを考えることの重要性などを説明しました。

具体的な指導内容に加え、音楽全体の捉え方、プロの世界の話など、多くの示唆に富む非常に意義深い講座となりました。

上田浩司教授から挨拶と大坂昌彦氏の紹介

上田浩司教授から挨拶と大坂昌彦氏の紹介

スティックを手に大坂昌彦氏登壇。ハイハットを前に、ハイハットという楽器の発展の歴史を説明

スティックを手に大坂昌彦氏登壇。ハイハットを前に、ハイハットという楽器の発展の歴史を説明

ハイハットのみをさまざまな奏法で叩く「ミスターハイハット」を演奏

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ルーディメンツクラブの学生が飛び入り参加。腕前を披露

ルーディメンツクラブの学生が飛び入り参加。腕前を披露

音楽を幅広く学ぶことの意義、多くの教養、英語を学ぶことの重要性を説明

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質疑応答。作曲をやっている学生から、ドラマーはどう考えて曲にアプローチするかを質問。作曲も行う大坂氏は、ピアノで作曲するが、作っている途中でドラムを叩いてみると、新しいアイデアが閃き、曲のアレンジなどにつながると返答

質疑応答。作曲をやっている学生から、ドラマーはどう考えて曲にアプローチするかを質問。作曲も行う大坂氏は、ピアノで作曲するが、作っている途中でドラムを叩いてみると、新しいアイデアが閃き、曲のアレンジなどにつながると返答

クリニック、1組目のバンドの演奏。テンポを遅くして、もう一度丁寧に演奏するよう指示。演奏に加え、アレンジもメリハリを付けるよう多くのアドバイスを与える

クリニック、1組目のバンドの演奏。テンポを遅くして、もう一度丁寧に演奏するよう指示。演奏に加え、アレンジもメリハリを付けるよう多くのアドバイスを与える