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スンナ・ヘルマンドッティル氏による公開ワークショップ 「デザイナーは未来社会をデザインするためのツールとして食をどう扱えるか」が行われました

先に行われた公開講座に引き続いて、11月10日(金)と14日(火)の午後1時から、本学西キャンパスX棟1階ギャラリーで、デザイン領域特別客員教授でフードデザイナー・フードストラテジストであるスンナ・ヘルマンドッティル氏による公開ワークショップが、ライフスタイルデザインコースの学生と学外からの来場者を対象として行われました。

 

スンナ・ヘルマンドッティル氏は、アイスランドの出身で、フードデザイン、サービスデザイン、デザインリサーチを専門分野とし、小規模の食ビジネス支援に特化したデジタルサービスFoodmrktを運営する他、Food Studio のメンバーとして食に関するワークショップなどを開催しています。フードデザインや共創に関するリサーチや論考も積極的に行うなどその活動は多岐に渡ります。デンマーク・オールポー大学Center for Food Plus Design フェローです。

 

ワークショップのテーマは「デザイナーは未来社会をデザインするためのツールとして食をどう扱えるか」で、今回のワークショップは、『食物を生産し、消費して廃棄するまでの一連のプロセスについて、仮定されたユーザー像に対して食のプロセスをデザインする。そして、それをマッピングし表現する。そして、可視化された食のプロセスのうち、どこに問題がありどのような点にどう働きかけるべきか提案する』というものでした。

進めるにあたっての留意点は、最終消費者がどんな人かということにフォーカスして、各プロセスを考えること、種まきから消費し廃棄するまでのプロセスを十分に想像することです。

食物は自然の中で作られたものか、工場で大量生産されたものかで、製品に違いがあることも理解する必要があり、また、食物のライフサイクル(土から生まれて廃棄されるまで)も考慮する必要があります。

今回示された仮想のユーザーは、12歳の男の子(家で一人でいることが多い)、30才の女性(ヨガのインストラクター)、80才でリタイヤした大学の教授(息子さんと同居)、3歳の女の子(両親は国際結婚している)などでした。

 

スンナ氏からのマッピングについての説明では3歳の女の子の場合など、具体的な事例を挙げて説明していただき、「マッピングは、どの人が見ても分かるように図と言葉を使いまとめることが最も重要です」と強調されていました。

そして、各テーブルには今朝、近所の農協から仕入れた食材(里芋、大根、赤かぶ、小松菜、カボチャ、柿、さつま芋など)が配られ、5名ずつ8つのテーブルに分かれた学生たちは、それらの食材に各ペルソナがどう接することができるかを考えるところからマッピングづくりをスタートさせました。

 

各テーブルに配布されたマッピングシートには、横軸に、種まきから廃棄までの食物のライフサイクルのプロセスが、縦軸には、何を(WHAT)、誰が、いつ、どこで(WHO,WHERE,WHEN)と、Pain & GAINが表記されていて、そこに、文字や絵・イラストなどを描いた付箋を張り付けることになります。

学生たちはグループのメンバーと相談したり、意見交換したり、時には分担して作業を進めていきました。

 

1時間半程度の作業を終えた後で、ワークショップの中間のプレゼンテーションが行われました。

各グループの代表者が、①どのような内容でマッピングをしたのか、②どういう課題が残っているか、について発表を行いました。それぞれの発表の後に、スンナ氏からコメントや質問が出され、今後の課題なども指摘されました。

以上で、初日のワークショップを終了しました。

 

14日のワークショップは、同会場で同グループにより、先週に引き続いて行われました。

最初に、スンナ氏から、二日目となったこのワークショップの最終目標が示されました。

それは、「マッピングを基に問題の核心を捉えること、更には、土壌への種まきから最終消費者までの食の循環を理解し、無駄な食料廃棄を押さえると同時に、最終消費者の要求や意識に応えるためのデザイン提案をする」ことでした。

 

最初の1時間で想定した食のプロセスを振り返り問題点を絞り、次の1時間で、コンセプトを掘り起こし充実させる。最後の1時間は各グループの最終のプレゼンテーションという流れでワークショップは進行しました。

最終のプレゼンテーションは、グループの代表者が発表して、スンナ氏が講評をするかたちで行われました。

全グループの発表が終了し、スンナ氏から総括のコメントを頂いて、ワークショップを終了しました。

今回のワークショップは、食を切っ掛けとしながら、生産から消費、廃棄までを細かに、かつ、網羅的に捉えることの大切さ、そして、そこからより効果的なデザイン案を生み出してくことの可能性を感じさせてくれるものとなりました。
 

 

初日のワークショップの冒頭に挨拶と講師の紹介をする水内智英准教授

初日のワークショップの冒頭に挨拶と講師の紹介をする水内智英准教授

ワークショップの内容について講義するスンナ氏

ワークショップの内容について講義するスンナ氏

マッピング作業を進める学生グループ

マッピング作業を進める学生グループ

学生たちの作業を見て回るスンナ氏(右は通訳)

学生たちの作業を見て回るスンナ氏(右は通訳)

中間プレゼンテーションの様子

中間プレゼンテーションの様子

二日目のワークショップ。最終的な目標について話をするスンナ氏

二日目のワークショップ。最終的な目標について話をするスンナ氏

学生たちにアドヴァイスを送るスンナ氏

学生たちにアドヴァイスを送るスンナ氏

グループの作業の様子

グループの作業の様子

最終プレゼンテーションの様子

最終プレゼンテーションの様子