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特別客員教授 髙橋久雄 講演会 「フランス中世壁画修復の現状とユルスリーヌ塔フレスコ壁画創作」が行われました

2017年11月15日(水)西キャンパスB棟大講義室に於いて本学特別客員教授である髙橋久雄氏の講演会「フランス中世壁画修復の現状とユルスリーヌ塔フレスコ壁画創作」が行なわれました。

講演に先立ち日本画の荒木紀江准教授から挨拶と講演のテーマ及び講師の紹介があり、25年を超える長きにわたり本学でフレスコ壁画制作の授業、ディジョン国立美術学校との姉妹校締結への架け橋、日本画コースでフランス・ジェラン村にあるサン・ピエール教会壁画模写、シャロン大聖堂壁画「聖母のお眠り」模写と現地での展覧会の実施に於いてご尽力されたと報告がありました。会場には今年の夏、髙橋先生の壁画創作に参加した本学の卒業生である岡本昌子氏、赤井恵子氏が駆けつけその時の感想が語られました。

[髙橋久雄氏は、武蔵野美術大学を卒業後、フレスコ画という建築と絵画が融合したモニュメンタルな世界に惹かれフランス国立美術大学へ留学。フレスコ壁画の技法を習得した後、歴史建造物の壁画修復の道へ進み独立。外国人修復家は珍しく、周囲の信頼を得るまでに長く苦しい道程であったが、レジョン・ド・ヌール勲章を受けるまでになる。修復を続けながら、画家としての作品を中世の建物に残したいというかつてからの願望が膨らみ、20年前ブルゴーニュの古都オータンにあるユルスリーヌ塔(12世紀の建築で14〜15世紀にかけてはブルゴーニュ公の居城の一つであった)を収得するが、仏国歴史記念建造物の指定を受けていた為、制作の許可には10年を要した。2010年、念願の自画制作プロジェクトが始まり現在制作中である。]

 

講演会は、前半が「フランス中世壁画修復の現状」について、後半が「ユルスリーヌ塔フレスコ壁画創作」でいずれも現地での映像を映しながら詳しく解説をしていただきました。

壁画修復の現状では「修復前」と「修復後」を対比して見せながら、どこに気を付けてどのように修復したかについて話して頂きました。壁画は時代背景と共に何層にも絵が描き重ねられていたり、壁画を漆喰で塗りつぶされている場合も多いそうです。何層もの漆喰を手術用のメスで少しずつ剥がしていく作業は、気の遠くなるような時間を要します。壁の状態は皆同じではなく手で触れただけで崩れ落ちるほどに痛んでいる場合もあり、一瞬の油断も許されません。長く緊張と忍耐の続く作業となります。修復され息を吹き返した中世の壁画が会場のスクリーンに映し出されていました。

 

後半の「ユルスリーヌ塔フレスコ壁画創作」では、最初にご自身の城(ユルスリーヌ塔)の全景や最上階(屋上)からの近隣の様子などが紹介され、その後、塔内の様子が映し出されました。髙橋氏は多くの努力と年月の末に手に入れたユルスリーヌ塔とその付属小聖堂への壁画創作を、芸術を志す日仏の学生たちと共有する道を選んでいます。本学からもたくさんの学生、卒業生がこのプロジェクトに参加しています。様々なパーツの創作に励む日仏の学生たちの姿や、その創作にアドバイスを与える髙橋氏の姿が見られました。

 

最後に髙橋氏が設立したユルスリーヌ国際文化センターの取り組みが紹介され講演を終了しました。

 

開演に先立ち、挨拶と講師の紹介をする荒木紀江准教授

開演に先立ち、挨拶と講師の紹介をする荒木紀江准教授

講演前の髙橋先生

講演前の髙橋先生

修復前の壁画

修復前の壁画

修復後の壁画

修復後の壁画

修復前の壁画

修復前の壁画

修復後の壁画

修復後の壁画

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壁画創作の指導をする髙橋先生

壁画創作の指導をする髙橋先生

ユルスリーヌ塔

ユルスリーヌ塔

ユルスリーヌ国際文化センターの活動

ユルスリーヌ国際文化センターの活動