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<卒業制作展関連イベント> 『学市学座 コレクター・アイ・デイ』 が行われました

卒展期間中の2月19日(月)13時10分より、B棟2階大講義室において、卒業制作展関連イベントとして、シンポジュウム形式による『学市学座 コレクター・アイ・デイ』 が行われました。

新自由主義とグローバル化が加速度的に進む中で、アート作品は世界的に投機対象とされ、名前のあるアーティストの作品は高価格で売買されています。その後作品は倉庫に保管され、展示されることもなく高値が付いた時に再び販売されるケースが増えています。

このような世界状況の中で、今回のイベントでは、この流れとは異なり、有名無名にかかわらず、アートを個人の自由な感性で選び、人生の友としているコレクターの方々にお話を伺いました。作品を購入することをアーティストへの一つの支援としても捉え、海外に比べてコレクターが少ない日本のアートの世界の層を、厚く広げる活動としても取り組まれています。

参加されたゲストは、非営利団体・ワンピース倶楽部代表の石鍋博子氏と名古屋支部長の山本真寿美氏、そして、アートコレクターの田中英雄氏と林 直樹氏でした。

司会進行は、家村佳代子氏(ディレクター・建築家・キュレーター・日本芸術文化国際交流財団理事などを務める)が担当しました。

ワンピース倶楽部とは、現代アートマーケット拡大のため、楽しみながら、最低一年に一作品(ワンピース)を購入することを決意したアートを愛する人たちの集まりで、ルールは以下のとおりです。

  1. ワンピース倶楽部の会員は、一年の間に最低一作品、現存するプロの作家の作品を購入します。
  2. ワンピース倶楽部の会員は、自分のお気に入りの作品を見つけるために、ギャラリー巡りや美術館巡りなど、審美眼を高める努力を惜しみません。

  1. ワンピース倶楽部の会員は、各年度の終了したところで開催される展覧会で、各自の購入作品を発表します。
  2. 以上のルールを守りながら、ゆるやかに、楽しくアートを楽しみましょう。

 

シンポジュウムでは、4人のゲストが自分自身の紹介と日頃の活動についてそれぞれ報告をしました。石鍋博子氏と山本真寿美氏はワンピース倶楽部の現実の活動状況について、そして、田中英雄氏は、日本の若い作家を中心に現代アートのコレクションを行いながら、アーティストへのサポートとして、林 直樹氏と共に、ユニット『チーム・ガラパゴス』を作り、若い無名の作家たちへのグループ展の企画や展覧会のカタログの制作、オルタナティブな展示スペースなどへのセルフビルド・サポートをしていることについて語りました。林 直樹氏は、大学を卒業した頃から40年以上にわたって、毎週必ず画廊巡りをして、若手作家のエッチングや油絵などを買っているとのことで、これまで買った作品の一部を映像に写しながら、数が多すぎて作品名は忘れましたと言いながら紹介してくれました。

 

次に、アートコレクションの楽しみとして、「アーティスト自身とその人のアート作品をどのように見ているか」についての話がありました。現代は、アーティストとアート作品が一体化しているとも云える時代で、アーティスト自身にどのような魅力があるかが問われています。素晴らしい作品を作り続けている人もさることながら、その存在自体がアーティストな作家や、作品のコンセプトや考え方がしっかりしている作家、また、アイデンティティーとともに、強烈なオーラのある作品は、時代を超えて素晴らしく、コレクターにとって魅力的との話がありました。

この後、学生たちに期待することについて、4名のゲストからお話を伺いました。

学生時代は、作家(人間)としての土台を作る時で、豊かな人間になるための準備期間であるとこと。学生時代に達成したことや受賞したことなどは、後から振り返ってみれば、それほどのことでもないので、このように認識しておいたほうが良いとの話もありました。

最後に会場の参加者から質問を受け、「アーティストに対する『愛』があるコレクター(本日出席の4名の方)は素晴らしい」という司会の言葉でシンポジウムを終了しました。

出席者の皆さん(左端は司会進行の家村佳代子氏)

出席者の皆さん(左端は司会進行の家村佳代子氏)

映像を映しながら意見を述べるワンピース倶楽部代表の石鍋博子氏

映像を映しながら意見を述べるワンピース倶楽部代表の石鍋博子氏

ワンピース倶楽部名古屋支部長の山本真寿美氏

ワンピース倶楽部名古屋支部長の山本真寿美氏

コレクターで『チーム・ガラパゴス』代表の田中英雄氏

コレクターで『チーム・ガラパゴス』代表の田中英雄氏

コレクションの作品を説明する田中英雄氏

コレクションの作品を説明する田中英雄氏

意見を述べる林 直樹氏

意見を述べる林 直樹氏