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テキスタイルデザインコース、suzusanが手がける久屋大通公園再開発のインスタレーションに参加

名古屋市では現在、テレビ塔を中心とした
久屋大通公園全域の再開発が進められており、
2020年9月18日には新商業施設
「RAYARD Hisaya-odori Park(レイヤード ヒサヤオオドオリパーク)」として
開業する予定となっています。

これにあわせ、
本学特別客員教授 村瀬弘行氏がクリエイティブ・ディレクターを務めるsuzusanが、
名古屋市からレイヤード ヒサヤオオドオリパークの
こけら落としイベントにふさわしいインスタレーション制作の依頼を受け、
その制作にテキスタイルコースがお手伝いするという形で
産学官連携のコラボレーションとなりました。

新型コロナウイルスの影響で例年6月に行われている
「有松絞りまつり」も中止となり軒並みイベントが取りやめとなるなか、
村瀬氏から本学への参加の要請は非常に喜ばしいものであり、
学生にとっても大変意義深い貴重な経験となるものです。

インスタレーションは、村瀬氏が考案した
「FABRIC GARDEN - PUBLIC CURTAIN」というタイトルで、
名古屋の中心地 栄で人々の心に残る、
夏の日差しに木陰のような休憩できる場の提供、
伝統工芸の絞りを身近に感じてもらう、という3つを目的とし、
有松の絞りを使って染めた長さ230mmの布240枚を屋外につるし、
清涼感とやすらぎのある空間を作るというコンセプトになります。

ドイツ在住の村瀬氏からは、
学生のためにビデオレターと作品のために
必要な布のデザインとコンセプト画が送られてきており、
リモートでの参加となりました。

プレゼン_p07

プレゼン_p09

このプロジェクトが決まったのが6月末であり、
短い期間での制作となります。

テキスタイルデザインコース有志の学生が参加し、
suzusan代表の村瀬裕氏の指導を受けて本学で絞りの作業を行い、
有松で染めるという方法で制作が進められています。

制作する布の色は3種類。
ベースとなるオレンジ、黄色、水色に有松らしい藍色が加えられ、
それぞれを並べたときに色の変化がグラデーションとなるように設計されています。

あらかじめ、suzusanで布ごとに絞る場所が指定されており、
それに基づいて今回は「手筋絞り(てすじしぼり)」という技法を使って模様を出します。

「手筋絞り」は、布を蛇腹に折って一か所を留め、
そこから折り目の筋を横に指で伸ばし折りを拡げて全体を糸で巻いて行く技法で、
ほどいたときにはランダムが縞模様ができます。

数ある絞りの技法の中では比較的シンプルなものです。

学生らは、例年、有松絞りで手ぬぐいを制作していますが
「手筋絞り」は初めて体験する技法で、
村瀬裕氏から手ほどきを受けて取り組むこととなりました。


7月6日にsuzusanから村瀬裕氏、千佳氏にお越しいただき、
1色目の布の「絞り」作業を行いました。

suzusan村瀬裕さん
SUZUSAN 村瀬裕さん

6日絞り講習1

6日絞り講習2

6日絞り講習3


7月23日には「絞り」を済ませた2色目の布を手渡し、
6日に作業し染色した分を受け取りました。

染めた布から糸を外す「糸抜き」は、糸を留めた本人が行います。

絞りは、布のたたみ方や糸留めの力具合の差が模様の変化となり、
作業した個人の作風の違いとなって現れます。

学生にとって、自分が「絞り」を行った布を自身でほどくことで、
作業と結果の関係を知ることになり、絞りという技法への理解が深まります。


また、「絞り」の括り方や「糸抜き」のやり方には伝統的な方法があり、
それらについて教えを受けることにより、
有松絞りの技術の高さと歴史の深さを感じることができます。

村瀬裕氏からは、
「短い期間で作業を進めなければならないですが、
学生とコラボレーションすることはとても意義深いもので、
協力して進められることはとても楽しい。

手ぬぐいは『板締め』で制作していますが絞りにはたくさんの技法があり、
さまざまな技法を知ることや体験することで、
ぜひ、絞りへの興味を深めて欲しい」とコメントをいただきました。

1たたみ
たたみ

2筋取り
筋取り

3糸で括る
糸で括る

4染色した布
染色した布

5染色した布
染色した布

6糸抜き
糸抜き

7出来上がり
出来上がり

「糸抜き」でほどかれた布は、
有松に戻されてプレス加工され、
今回はフラットな状態にして飾られることになります。

「RAYARD Hisaya-odori Park(レイヤード ヒサヤオオドオリパーク)」では、
suzusanのインスタレーションのほか、
テキスタイルデザインコースOGの「まり木綿」も
インスタレーションで参加することになっています。

展示場所や期間など、追って報告致します。
ぜひお楽しみに。