2012.11.6 晩餐会を照らすロウソクの光

晩餐会がおこなわれるのは夜。
料理が運ばれてくるテーブルには、明かりが欠かせない。
明るすぎない照明をイメージし、
プロジェクトのアイデンティティーにある
緑・黄色の2色のクレパスを溶かして着色したろうそくの製作が始まった。



学内で製作されたガラスの器に水を入れ、ろうそくを浮かす。
ガラスに入れることで炎の光が拡散しやすくなり、料理をやわらかく照らし出す効果があるのだ。
また、ろうそくの明かりはテーブル上に置かれたテーブルクロスの切り絵も照らし、
食事の際、手元に影絵を映し出す。

まず、11月の秋の夜に行われる晩餐会を想像してみた。
外は肌寒いけど、中に入ると温かい。
席に座れば順番に料理が運ばれてきて、みんなで食事をしながら会話を交わす。
晩餐会というと少し堅いイメージ。
だけど、開催場所は学内の中庭にあるクローバー畑。
この地域でとれた野菜や、この地域のものを使って、ここ北名古屋市で暮らしている方々を迎える。
優しい光で料理や人の顔を照らし出し、温かい雰囲気を作り出す、そんな照明が必要だと思った。
話し合いの中で、プロジェクトのロゴに使われた緑と黄色の2色を使ったロウソクを作るという案が出てきた。
暗い中でも見える彩度で、
なおかつ木のテーブルになじむ優しい色合いを探し出しながら、型に入れて作っていく。
毎日近くのドラッグストアで
仏壇用のロウソクをあるだけ買い込んではクレパスと混ぜて鍋で溶かし、
形にしていくという日々が続いた。



出来上がったロウソクは、学内のガラス工房で作られた小さなガラスの器に水を入れて浮かべた。
始めはセラミックの器を使うつもりだったが、ガラスの器に入れてみた時、
ロウソクのゆらゆらとした光が、ガラスの中でキラキラ光って、
机の上に優しく影を落としていたのが、とても綺麗だったからだ。



晩餐会当日、クローバー畑から会場までのアプローチと会場内の二カ所にロウソクを配置した。
ロウソクは思い描いていた以上に優しく、温かく晩餐会の会場を照らしていた。

(スペースデザイン2年/森千容)

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