2012.11.13 一夜限りの小さな晩餐会

プロジェクト開始から116日目。
私たちはついに晩餐会当日を迎えた。
天候はあいにくの雨。雨の中の配膳や気温の低下は予想外だったが、
温かいスープや、やわらかな照明の光で精一杯のおもてなしをした。



また、この日のためにお願いしておいた”北名古屋シティ管弦楽団”のみなさんによる生演奏も初披露。
ビニールハウスに響きわたる音色は食後のゆったりとした雰囲気にぴったり。
お客様が談笑を楽しんでいる間に雨もやみ、最後は冬の夜空のもと、笑顔でお見送りをすることができた。



北名古屋シティ管弦楽団
団長・東和夫さん率いる、北名古屋市で活動するアマチュアオーケストラ。
1993年に結成し、2006年に現名称に変更された。本校の音楽学部・竹本学長も指導にあたっている。

8月にミーティング中の教室のドアをたたいてから、早4ヶ月。
この日、自分が白いシャツに黒いズボン、胸におそろいのバッジを付けて
ビニールハウスの中にいることがとても不思議なことに思えてしょうがなかった。
先輩と学校周辺を歩いてできた人とのつながりも、
慣れない畑作業で収穫した野菜も、何度もお店の方に相談して譲っていただいた料理に合うお茶も、
全部この日のためだったのだと思うと4ヶ月の重みが感じられる。
当日、実際にお客様とお話ができたのはほんの少しの時間だったけれど、
お料理を前にしたときの笑顔や嬉しそうに談笑する姿を見ていると、
晩餐会という特別な空間を楽しんでくれていることが伝わってきて
「準備してきて良かった」と素直に思うことができた。

学内、そして学外のつながりを感じることができたこの小さな晩餐会は、
私の中で今後につながる大きな一歩となった。

(デザインマネージメント/2年/安藤友美)



学外学内から、お客はぞくぞくやって来た。
いつも昼間の仕事中に会うその人々は、今日はゆったりとしたお客さまの顔。
ちょっと驚いたし、それで同時に緊張もする。
用事があるから行けないと言ってたはずの畑の井上さんは、
「ちょっと見に来ただけ」
とか言いながらもなんだかんだ来てくれて、
準備してる様子を面白そうに見て回ってくれた。
一番早くに来たきたなごのおじさん達は席に着くなり
「芸大生はすばらしい!」
というおしゃべりを始めていて、こちらはちょっと気恥ずかしくもなり、
いつも行くお豆腐屋のおっちゃんは、初対面のはずの学内の先生方と楽しそうに話していて、
普段会うことの無いであろう地域のお豆腐屋と大学教授の真剣なお豆腐談義の光景は
なかなか奇妙で面白いものだった。



なんとも楽しげなお料理と、細やかなテーブルの用意と、ほのかな明かりと、特別にお願いした音楽。
そのビニールハウスの中で、大学でいつも過ごす時間と、夏から過ごした地域での時間が入り交じる。
自分の普段過ごしているこの土地の姿が
やっと一瞬垣間見えたような、そんな一夜だった。

(デザインマネージメント3年/堀田咲良)



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