2012.11.28 展覧会



場所は、名古屋市長者町にあるアートラボあいち。
ここは愛知県内の芸術系大学の連携拠点や若手アーティストの作品展示場所となっているところである。
プロジェクトの途中から一部のメンバーが中心となり、展覧会の企画を進めており、
晩餐会後はメンバー全員で展覧会に向けて、再び走り出した。
会場には、ビニールハウスの入口が再現され、それををくぐると、晩餐会会場の一部が展示されている。
その下には本物の芝生がひかれた。
それは実際に晩餐会を行った学内のクローバー畑を四角く切り取り持ってきたもので、
その頃クローバー畑には“ここの土は
現在展示中のため貸し出し中です”との看板が立ち、学内での広告塔となった。



プロジェクトのこれまでの経過をたどった出来事の数々は
ベニヤ板14枚にもわたって記され、それでもまだおさまりきらないほどだった。
実際、この数ヶ月の出来事はそれほど簡単にはまとめられず、
到底ベニヤ14枚などで収まりきるはずもなかった。
その他に、このプロジェクトと地域の関係を表した相関図や、ドキュメント映像、
そして“これから“と題した、今後の地域との繋がりをメンバーひとりひとりが考え、
出し合ったアイデアの数々など、盛りだくさんな展示となった。



晩餐会プロジェクトが始まってまもなく、晩餐会後に行う展覧会の計画を任せてもらうことに。
晩餐会当日に向けての調査や準備と平行して、
晩餐会当日だけでなく、それも含めたプロジェクト自体の魅力、意味を伝えられるような展覧会にしたい。
はじめは、晩餐会もまだ出来ていないのに、
それを見越して展示計画をするということで、展覧会のイメージが曖昧でした。
しかし、プロジェクトが動きだし、
畑で土や野菜にふれたり、たくさんのメンバーたちの働きを見たり、
それによって大学に次々と集まってくる地域の方々から頂いた食材や材料、
それらを元に制作されていくものたちを間近で見ていて、
だんだんと、このプロジェクトの大切な部分はなんなのか、
それをどう展示すれば伝えることができるのか、を確認することができ、
次第に展覧会のイメージもかたちになっていきました。
そうして決まったのが、私たちのプロジェクトが進んでいく過程を追って説明していく中で、
私たちが見たもの、使ったもの、作ったものなどを出来るだけ"実物で"展示をしていくというものでした。
実物には言葉以上に伝える力があり、見るだけで感じられる何かがあると身を持って体感できたからです。
これと同時に私たちメンバーがひしひしと感じていたのは、地域の人との繋がりでした。
晩餐会で食べる料理の野菜一つにしても、座る椅子にしても、
晩餐会を作っていく上で必要なものは、地域の人たちの協力無くしては決して出来ないものばかりでした。
更に、地域の人の優しさに支えられることもたくさんあったり、
そんな地域の人たちのものが一同に集まり晩餐会という形になっていくこと自体が
このプロジェクトの軸にあるのだと思ったのです。
そして忘れてはならないのは、この展覧会は晩餐会の後に開かれるものです。
晩餐会を終えて、そこで終わり。ではなく、
今回のプロジェクトで出会うことが出来た人たちや、はじめて知ったことを
これからどのように継続し、関わりを増やしていくのかをメンバーみんなで考えました。



このような計画を何度も練りながら、晩餐会後の2週間で、メンバー全員の力を総動員して完成した展示。
準備がぎりぎりだったり、直前の変更があったりと、決してスムーズにはいかなかったけれど、
メンバーの頑張りや周りの人の協力があってこそ、なんとか形にすることが出来たと思います。
みんなの思いが詰まったからこそ、
私たちが感じたことを一緒になって感じられるような展示になったと思います。

(デザインマネジメントコース 2年/稲垣美帆)



「プロジェクトって、今後どうなると思う?」
メンバーにそんな質問をしたのは、開催を目前に迫ったある日のことでした。
さまざまな人・モノ・場所の力なくして、つくることのできなかったこのプロジェクト。
「次へつなげたい」という想いは、実はすでにつくられていたモノたちに現れていたのです。
晩餐会で使用されたテーブルは、頂いた木材を使用し、
晩餐会終了時に解体し、頂いたところへ「薪」として返却すること。
晩餐会当日に、お客さんとスタッフが胸につけるブローチ(居酒屋のビール瓶の王冠を再利用したもの)は、
持ち帰って頂き、後に晩餐会のことを思い出して頂けるようなツールにすること。
畑を続けていきたい、
地域の人と共同でお店を運営できたらいいな、
地域の方々に授業の講師になってほしい、
また一緒にものを作りたい、もっと私たちが地域に関わっていきたい……
展示を通して見つめた私たちの「これから」には、
実際に触れあったからこそ言えるのだろう、きらきらした熱量に溢れていました。

(デザインマネジメントコース3年/粟嶋杏奈)

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