インタビュー(楽器室[3号館])

楽器の修理や舞台づくりで、
学生の演奏活動を支えています。

芸術学部 音楽領域 演奏課楽器室
竹内 正博

楽器の修理をはじめ保守・点検など楽器管理全般について行っています。修理は全ての楽器でできるわけではありませんが、学生が明日練習したい、本番が近いといったときに、音が出なくなったり壊れたりした場合、応急処置を行っています。学生と話をしながら修理することで、楽器の使い方や腕前が分かってきます。また、イベントやコンサートなどで舞台を作ったり、オーケストラのセットを作ったり、学生たちとコミュニケーションを取りながら進めます。
わたし自身が名芸大の卒業生で、学生時代はサックスを吹いていました。それでだいたいの管楽器は把握しています。卒業後1年間は高校教師をして、その後、楽器室へ就職。以来、20年位この仕事を続け、学生が一生懸命練習できるように、そのために楽器のメンテナンスに力を入れています。

楽器庫には、100余りの管楽器が収められています。木管楽器では、フルート・クラリネット・サックス・ファゴット・オーボエ。特殊楽器が多いのが特徴です。金管楽器は、トランペット・トロンボーン・ホルン・バリトン・チューバ。それぞれの楽器は、さらに10種類位に分かれています。

学生がいろいろな楽器を勉強できるように、楽器を貸し出しています。たとえば、クラリネットでもたくさんの種類がある。内外の演奏会で、いつもと違う種類のクラリネットを吹くことがあるかもしれません。学生のうちに多くの種類のクラリネットを吹けるように、また他の楽器を体験できるように、勉強することも大事ですね。

よく貸し出される楽器では、調子が悪いところは学生が最初に気づき教えてくれることがあります。そして、たまに貸し出される特殊な楽器は、定期的に点検します。いつも楽器の状態を把握して、最良のコンディションで学生に渡せるようにしています。

大学のホール以外でも、屋外でコンサートがあるときには、舞台作りから大工仕事まで何でもします。演奏者が少しでも気持ちよく演奏できるように、そして演奏者が気持ちよく演奏できれば聴いている人も心地よく聴けます。演奏者や学生がより一層自分の力を発揮できるように、これからもバックアップしていきたいです。

管楽器はナマモノのようで、吹き手によっても鳴り方がまったく違います。楽器の修理の時に、うまく修理や調整ができて、いい音が出ると嬉しいです。その上、本番でも素晴らしい演奏ができると、本当にやりがいを感じます。うまく音が出ないと悩んでいた学生が、音が出たときにパッと顔が明るくなるのです。何物にも代え難い瞬間で、「あ~、良かったなあ」と心から思います。

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