特集
子どもを伸ばす、
海外の保育教育を知ろう。
2019.11.13
子どもならではの感受性を伸ばし、創造力や思考力を育てること。そして、コミュニケーション能力を身につけること。それが、子どもの成長において保護者が期待することかと思います。保育教育の分野ではさまざまな取り組みが行われていますが、今回は日本ではあまり見られない海外の事例をご紹介します。
日本と海外の保育教育の違いで、とくに特徴的なのは演劇教育です。演劇教育は“生きる練習”とも言われ、特にイギリス、アメリカ、オーストラリアで盛んに行われており、普通の授業と同じようにカリキュラムに組み込まれています。そして、その内容はセリフを丸暗記して学芸会で発表する、日本での演劇とはまったく異なるものです。歴史や身近な課題をテーマに子ども達主導で台本を考え、演劇をつくりあげます。演劇後にはクラス全員で、結末や登場人物に対して感じたことなどを話し合います。
そんな演劇教育では2種類のチカラを身につけることができます。1つは舞台の上での表現力や劇を作り上げる創造力といったクリエイティヴなチカラ。そして、もう1つが、話し合いを重ねることによるコミュニケーション力や、他の考えを受け入れて進めるチームワークといった他者と関わるチカラです。単に演じるだけではなく、人と一緒にものをつくりあげる経験をすることが、“生きる練習”と言われる理由かもしれませんね。
演劇ができない低年齢の子どもに行う読み聞かせも、海外ならではの方法があります。読み聞かせの途中にストーリーの展開を問いかけたり、身体を動かしたりして、子どもの積極的な参加を促すダイアロジック・リーディングというものです。語彙力や読解力に加えて、コミュニケーション能力の発達に役立ちます。
このように芸術体験がもたらす力や文化の違いを知り、知見をひろげることは、これからの保育教育に大いに役立つはずです。worldeaでは言語や文化を学ぶ授業に加えて、実際に海外を訪れて保育や芸術を学ぶ研修も行っています。
名古屋芸術大学の人間発達学部子ども発達学科は、全国でも珍しい芸術系大学の保育・教育系学部です。芸術を通して皆さんの感受性を磨きながら、子どもと向き合うチカラを伸ばします。絵本の読み聞かせのスペシャリストを養成する「認定絵本士」の資格を取得できる講座も2020年度より開設します。さぁ、あなたも名芸大で先生を目指しませんか。