名古屋芸術大学

キーワード

プロとして活躍できる文章スキルを身につける

どんなことが学べるか

  • 小説、演劇(戯曲)、映画(シナリオ)、キャッチコピー、絵本作家、漫画原作者などの文章表現を磨く
  • 実作を中心に少人数制でやさしく細やかに指導
  • 作品を編集、本を作成してレビュー展

どんな人になれる?

  • 文章のプロ、職人
  • 伝えたい心や、表現したい思想を文章デザインできる人
  • 文章で人を楽しませる、感動させられる人

想定される就職先

小説家、劇作家、シナリオライター、絵本作家、漫画原作者、コピーライター、翻訳家、新聞記者、雑誌記者、編集者、文学館の学芸員など

講師インタビュー

荻原雄一

デザイン学部教授

日本近代現代文学(森鴎外、夏目漱石、芥川龍之介、倉橋由美子、丸山健二、野呂邦暢)、映画表現法、サンタクロース学などを研究

学習院大学文学部国文学科・埼玉大学教養学部アメリカ研究コース卒業
学習院大学大学院修了
小説家、翻訳家
俳優座特別研究員、東京作家倶楽部所属

  • 【 著作 】
  • 「バネ仕掛けの夢想」(昧爽社1978・教育出版センター1981)
  • 「魂極る」(オレンジ・ポコ1983)
  • 「文学の危機」(高文堂出版社1985)
  • 「消えたモーテル・ジャック」(立風書房1986)
  • 「楽園の腐ったリンゴ」(立風書房1988)
  • 「ゴーギャンへの誘惑」(高文堂出版社1900)
  • 「小説 鴎外の恋 永遠の今」(立風書房1991/森の会公演1993・俳優座公演2002/NHK放映1993・1995)
  • 「北京のスカート」(高文堂出版社1995)
  • 「サンタクロース学入門」(高文堂出版社1997)
  • 「児童文学におけるサンタクロースの研究」(高文堂出版1998)
  • 「もうひとつの憂国」(夏目書房2000)
  • 「サンタクロース学」(夏目書房2001)
  • 「舞姫ーエリス、ユダヤ人論」(至文堂2001・編著)
  • 「ニューヨークは泣かない」(夏目書房2004・のべる出版2008)
  • 「靖国炎上」(夏目書房2006)
  • 「サンタ・マニア」(のべる出版 2008)
  • 「マリアナ・バケーション」(未知谷2009)
  • 「漱石の初恋 」(未知谷 2015)
  • 「“漱石の初恋”を探して―「井上眼科の少女」とは誰か」(未知谷 2016)
-デザイン学部に「文芸・ライティングコース」が設置される意味を教えて下さい

 そもそも文芸の創作を教えている大学は数多くありません。一般大学の文学部は文学研究で、創作は教えてはいません。と言って、芸術大学に文芸がある大学も、非常に少ないのが現状です。東海地区では名古屋芸大の文芸・ライティングコースが唯一です。芥川龍之介になると言うと大げさですが、最近では、ケータイ小説やライトノベルの投稿サイト、ゲームのシナリオなど、物語を書く作業が従来よりも何げなく行われている現状があります。インターネットで作品を発表したり、同人誌を作ることも気軽にできるようになりました。このような現在の状況だからこそ、芸術大学で文芸の技術をしっかりと教えていく必要があり、またニーズもあると考えています。確かな技術を習得し、文章をデザインする。芸大の他の領域と連携することができる。このためデザイン領域に文芸・ライティングコースを設置したのです。

-文芸・ライティングコースの特色はなんですか?

 僕は小説が専門ですが、戯曲、シナリオ、演出にも力を入れていきます。劇作家、演出家の北村想さんに来ていただき、授業を行って戴きます。小説と演劇を二本の柱と考えています。僕は、森鴎外のことを書いた「鴎外の恋」を俳優座で講演してから、俳優座とお付き合いが始まりそこの特別研究員になっています。劇団員の俳優さんに来ていただき朗読会などを開催するつもりです。東海地区で演劇に力を入れている大学はありませんので、演劇に興味のある人にはうってつけです。

-授業ではどんなことをやるのですか?

 技術を教えます。じつは、北村想さんとも意見が一致しているのですが、ともかく技術を教える、内容については触れない、という方針でやっていきます。北村さんは、毎年10人程度しか取らない「伊丹想流私塾」という塾を開いていますが、そこで彼は徹底して技術を教えています。
 僕は、若い頃に小説家の丸山健二氏(1966年『夏の流れ』で第56回芥川賞を最年少で受賞。この最年少記録は2004年の綿矢りさが受賞するまで破られなかった。受賞後、長野県へ移住。以降数々の作品が賞の候補作となるが辞退、「孤高の作家」と呼ばれている)に小説の書き方を教わりました。そのときに、小説や戯曲を評価するには内容が50点、技術が50点の100点満点で行うと。たとえば、ある作品の内容が50点満点の面白さだったとしましょう。しかし、文章の技術は20点の評価だったとします。それでも、合計で70点ですから、水準を超えています。内容が時代に合っていれば本が売れますから、出版社は新人賞を与えます。しかし、二作目は処女作と同じ内容というわけにはいきません。一作目と同じ程度の面白いテーマはそうは転がっていません。二作目の内容が20点だったとすると、この作家の技術は20点ですから、合計で40点にしかなりません。これでは本にならない。賞を取ってから鳴かず飛ばずの作家は、このパターンです。僕が、丸山健二氏からうるさくいわれた教訓は、技術は覚えれば50点が取れるようになる、50点が取れるようになれば、一生50点満点であり、内容が20点しかなくても70点で合格だと。読んだ人も金を返せとは言わない。これがプロなんだと。僕も、作家としてやってきましたが本当にそう思います。ですから、技術を教えるというのは、4年間で技術を50点にして送り出すという意味です。ともかく技術については、イロハからすべてを教えるつもりです。北村想さんも想流私塾で、全く同じ授業をやっているそうです。やる気のある人にとにかく技術を教えて、まずは少数でも作家としてやっていける人を作ろうと考えています。

-実際のカリキュラムは?

 デザイン領域の中にあるので、キャッチコピーにも力を入れて教えていきます。ポスターを作っているようなグラフィックデザインの分野とマッチングできるし、絵本もやります。美術やデザインのコースとすぐに連携できると考えています。また、東キャンパスの音楽領域とも、ミュージカルの台本や舞台の作り方で連携できると考えています。

北村想

特別客員教授

演出家、劇作家、小説家、エッセイスト
これまでの執筆戯曲は200曲をこえる。代表作に『寿歌』『想稿 銀河鉄道の夜』など。 戯曲だけでなく、小説、童話、エッセイ、シナリオ、ラジオドラマなどその著述物は多数。 『十一人の少年』で第28回岸田國士戯曲賞、『雪をわたって・・・第二稿・月のあかるさ』で第24回紀伊國屋演劇賞、 ラジオ・ドラマ『ケンジ・地球ステーションの旅』でギャラクシー賞を、平成26年には『グッドバイ』で第17回鶴屋南北戯曲賞を受賞

西村和泉

特別客員教授

翻訳家、演劇評論家
主な著書および翻訳書 『ベケットを見る八つの方法―批評のボーダレス』『ベケット―果てしなき欲望』『レイモン・アロンとの対話 (叢書言語の政治)』『サミュエル・ベケット!―これからの批評』

入試情報

4年間のカリキュラム

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