特集

47号(2019年4月発行)掲載

第46回卒業制作展/第23回大学院修了制作展

第46回卒業制作展/第23回大学院修了制作展 第46回卒業制作展/第23回大学院修了制作展

 2019年2月16日(土)〜3月3日(日)、西キャンパスにて卒業制作展、修了制作展が開催されました。学生時代の集大成となる作品、コースごとの特色に加え、個人それぞれの個性が加わり、見応えのある力作揃い。西キャンパスでの開催は今回でまだ2度目ですが、カフェの出店やスタンプラリー、ラジオ放送に演奏会と、盛りだくさんのアートイベントとなりました。

卒業制作展・修了制作展、開催にあたって

芸術学部長 学長補佐 教授

萩原 周

 昨年から始まったキャンパスの開催ですが、本年の目標としましては、お客さまに来ていただける卒業制作展、修了制作展にするということでした。本学は、都心からは少し離れた立地ですので、何かの折りに寄っていただけるような場所ではありません。それでも、見に行って見てみたい、見なくちゃいけない、そんな動機付けをどのように行うか、そこが第一のポイントでした。
 そのため、今回の展覧会では昨年よりも会期を長くしてみました。機会を増やすことで、できるだけ多くの人に見ていただけるように、かつ、広報的な観点からも訪れてくれた方々のSNSによる発信などの波及効果が期待できると考えました。また、ジブリの鈴木敏夫さん、アートディレクターの森本千絵さん、建築家の手塚貴晴さんと、アートに関心のある方以外にも幅広く注目を集めるお三方に講演していただくことができたことも非常に幸運でした。事前に、卒展、修了展の専用Webサイトによる告知を行い、多くの方に少しでも関心を持っていただけるよう努力してきました。こうしたこともあって土曜、日曜に関しては、まずまず集客できたのではないかと思います。会期中に訪れたアートコレクターの中には、その場で何点かの作品を購入されたとも聞いていますし、他の展覧会へのオファーへつながったという話も聞いています。卒展、修了展がこうして学生たちにチャンスを与える機会にもなり、非常に喜ばしく感じています。
 本学に足を運んでいただいた方々、特に保護者の方々には、ご子息、ご息女が普段こういう場所で学び、制作を行っていたのかと、非常に濃厚な体験をしていただけたのではないかと思います。また、一般の方々にとっても学生の作品や工房など、一般大学とは異なった光景をご覧いただけたことと思います。こうしたことで関心を持っていただき、生涯学習や公開講座など、大学が地域社会へと開かれた形へ発展していけるよう継続していきたいと考えています。
 今年、初めての試みとして東キャンパスから音楽領域の学生に協力をあおぎ、演奏会も開催しました。また、人間発達学部に関連する試みとして、附属のクリエ幼稚園児の絵画展も開催しました。演奏会に関しては、会場が体育館という場所柄、告知方法などについて反省すべき点もいくつかありますが、改編以来進めてきました「ボーダーレス」という考えを、今後の卒展、修了展でも一層積極的に推進していきたいと考えています。
 100%満足できる卒展、修了展に向けて、一朝一夕にはできないかもしれませんが、時間をかけながら、より良いものへと育っていって欲しいと思います。学内が日常的には制作の現場であり、それが時期によって展示の場となる、そしてまた日常に戻る。そんなカルチャーも生まれてきています。今後は本学が、この地域のアートとデザインのホットスポットになれるよう、さらにこの事業をもり立てていきたいと思います。

人間発達学部の協力を得て「幼稚園の絵画展」が企画され、卒業制作展と同時開催されました

音楽領域の学生による演奏会も行われ、学部・領域を越えた融合のかたちを示す卒業制作展となりました