カーデザインコース 特別客員教授 永島讓二氏、展覧会「ヨーロッパ自動車人生活Ⅱ」開催、ギャラリートークを行いました

 2022年11月4日(金)~15日(火)、Art & Design Centerにて、カーデザインコース 特別客員教授 永島讓二氏のイラスト展「ヨーロッパ自動車人生活Ⅱ」を開催、12日(土)にはArt & Design Center Westにて、カーデザインコース、インダストリアル&セラミックデザインコースの学生向けにギャラリートークを開催しました。

 永島譲二氏は、BMW AGにてデザイン部門 エクステリア クリエイティブ ディレクターを務め、BMW Z3(1996)、5シリーズ(1996)、3シリーズ(2005)などを手がけ、BMWの生産車からショーモデルまでほとんどのデザインをまとめる立場で現在のBMWデザインを作り上げたデザイナー。また、デザイナーとしての活動以外にもカーデザイン史を研究、カーグラフィック誌でのエッセイとイラストを連載するなど、多彩な活動を行っています。
 今回のイラスト展は、2018年11月に開催されたイラスト展「ヨーロッパ自動車人生活」の続編ともいえるもので、多数の新作を加えArt & Design Center West、East合わせ、100点以上の作品を展示しています。ギャラリートークでは、イラストのクルマについて、そのクルマについてのエピソードや個人的な思いなどを交え、1時間ほどお話しいただきました。

 一枚一枚、それぞれのイラストに思い入れがあり、穏やかな口調でユーモラスに語られる内容が面白く、興味深く楽しいギャラリートークとなりました。参加者が学生とあって、水彩画で描くコツや技法についても簡単に説明。透明水彩と不透明水彩の使い分けや展示作品と同じだけの失敗作があることなど、たくさんの枚数を描いていることを説明していただきました。クルマについての思い出のお話も面白く、ランチア フルビア スポルト ザガートでは、子どもの頃に駐車場で見かけクルマの周りをグルグルと何周も廻って観察したことや立体作品でも音楽や小説のように感動できることを知るきっかけとなったことなどが語られました。デザイナーになる動機ともいえるお話で、非常に感銘を受けました。また、ブレッド&バターカーと呼ばれる、生活の道具としてのクルマたちのイラストが印象的で、その背景にある生活や文化にも言及し、永島氏のクルマというプロダクトへの深い思索と愛情を感じさせました。

 永島氏のイラストの特長ともいえるのが写り込み。デザイン画でもボディへ写り込む光の反射が描かれボディの曲面を表現していますが、イラストでは写り込みに情景が描き込まれており、そのクルマが置かれている場所やシチュエーションを想像させるようになっています。ときには海辺、ときには華やかなコンクール・デレガンスの会場と、その状況がクルマのキャラクターと相まって、デザイン画とはまた異なった味わい深いものになっています。。あらゆる国、あらやるジャンルのクルマが描かれ、クルマが好きでカーデザインという職業に就いた人であることをあらためて感じさせる展覧会とギャラリートークとなりました。

イラスト展「ヨーロッパ自動車人生活Ⅱ」展示作品

Competition

Sports

Luxury

Bread and Butter

Power of America

France

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Tradition