星野夏実

星野夏実

芸術学部 芸術学科 美術領域 アートクリエイターコース(ガラス)4年

第14回 翔け!二十歳の記憶展 グランプリ

ガラスは、本当に体験することって少ないじゃない。どういうきっかけで?

中学生の頃からガラスに興味があったんです。イギリスへ行ったことがあり、教会のステンドグラスを見て、それからガラスに興味をもちました。高校のときにインターンシップでステンドグラス工房へ行ったりもしました。大学はガラス工房があるところということで、本学か愛知教育大学へ行きたいと考えました。たまたま、高校の非常勤にアートクリエイターコース彫刻専攻の先生がいらっしゃっていて、オープンキャンパスで工房を見学させていただいて、それで決めました。

ふくろうの作品は、これ、どうなってるの?

12枚のレイヤーに1枚ずつ絵を描いた立体的な作品になっています。ふくろうは眼球を動かせない生き物なんですけど、ふくろうと対面するとずっと目が合ってるような感覚になりますよね。あれは錯覚らしくて、ふくろうはもっと遠くを見ているそうなんですけど、あの感覚になるように。立体の一番奥にふくろうがいて、どこから見ても目が合っていると感じるように、見られているような感覚になればいいなと考えて作りました。

12枚もあるんだ! ガラスの厚みはどれくらいなの?

1枚3mmです。手前の雲は磨りガラスっぽく、奥はリューターを使って手で彫りました。作品に緊張感をもたせたくて薄いガラスにしました。12枚買って、1枚も壊さずに作ったんですよ!

レイヤーになってる構造や立体だけど平面的だったり、版画っぽい感じも面白いね。

版画もすごく好きなんです。ガラスが日常の中に使われていても、窓ガラスなどその存在は希薄というか、ないものとして扱われます。それに自分が触れ、削るという作業によって浮かび上がってくる。自分の手によって、ガラスは存在が明確になります。ガラスの存在を示すことが、自分の存在を示すことにもなるのじゃないかと思っています。

星野さんは4年生。今後はどうしていくつもり?

大学院への進学を考えています。就職が決まっていたんですけど、進学しようとお断りしました。これまで自分の作品に自信がなかったのですが、大きな賞をいただいて評価していただき、制作したい、頑張りたいという気持ちになりました。賞をいただいてびっくりした一方で、でも、今が自分の意見をいうときだと思ったんです。本当によかったなと思ってます。