アートで世の中を応援

中日新聞 全30段広告(月刊ブレーン誌 2020年8月号掲載)

 新型コロナウイルスの影響で社会が大きく変貌しています。本学をはじめとする名古屋芸術大学グループのすべてが、大きな影響を受けています。しかしながら、こんなときだからこそ、「ゲイジュツのちから」が必要であり、また「ゲイジュツのちから」を信じるものであります。
 本学は、2020 年、開学50 周年を迎えます。これにあわせ「アートで世の中を応援」というキャンペーンを始めました。はからずも、このキャンペーンはコロナ禍にある社会に投げかけるにふさわしいメッセージとなりました。本学は、こんな世の中だから、こんなときだからこそ、芸術が必要であると考えます。

制作にあたった、メディアコミュニケーションデザインコース 4年 米村明莉さんにお話を伺いました。対面授業が始まった6月1日でしたが、米村さんは自宅からオンラインで受講。お話もオンラインでお伺いすることになりました。

メディアコミュニケーションデザインコース 4年 米村明莉さん

メディアコミュニケーションデザインコース 4年

米村明莉さん

 新聞に大学の広告として掲載されることになり、本当にびっくりしました。思っていたよりも多くの人の目につくようなことになり、私なんかが創ったものでいいのかなという気持ちになりました。もともとは、特別客員教授の澁谷克彦先生の授業で、メディアコミュニケーションデザインコースのポスターを創るという課題で、大学名ではなく、メディアコミュニケーションデザインコースの「MCD」が入ったものでした。写真は、サッカーをやっている弟の試合を見に行ったときに応援する高校生たちを撮影したものです。最初に澁谷先生とお話しした段階では、「がんばれ」とか「おはよう」だとかいった単純な言葉しか思いつかなくて、そのままでは面白くないねということになり、応援の言葉ってがんばれだけじゃないよね、という意見をいただきました。応援している高校生たちの姿を思い出し、すごく声は出ているけど、離れて聞いていると何を言っているのかよくわからない(笑)。それをビジュアルで表現してこのような形になりました。何を言っているかわからなくても伝わるものがあり、味方の声だけですごくモチベーションが上がったり、力が出たりすることってたしかにあるなと思い、そのことがストレートに表現できたことが良かったのだと思います。
 櫃田先生から、自分の好きなテイストがあるなら、それにこだわって続けることも大切、続けることで自分の強みになる、と言われています。私は、最初に浮かんだアイデアを考えなおし、いろいろと手を加えて創っていくということをやりますが、結局、全部捨てて最初のアイデアに戻ってしまうことがよくあります。自分のやりたいことを貫くということが大事なことだと思っています。

櫃田珠実教授

櫃田珠実 教授

 澁谷先生は、資生堂宣伝部のインハウスデザイナーだったこともあり、企業から見た目線をしっかりとお持ちで、私自身とても勉強になります。
 澁谷先生の授業で、コミュニケーションをテーマとした課題を考えていたとき、それならば高校生にメディアコミュニケーションデザインコースをアピールするポスターにしようと提案して下さり、このような課題が実現しました。A&Dセンターでのレビュー展を広報の方が気に入って下さり、課題が大学広報へと発展し、非常に嬉しく感じています。米村さんの持ち味である、爽やかでストレートな表現がうまくマッチした作品となりました。

新型コロナウイルス対応方針

学生の皆様 新入生の皆様 保護者の皆様 教職員の皆様
その他、本学関係者の皆様へ

新型コロナウイルス感染症「緊急事態宣言」への対応及び危機対策本部の設置について

名古屋芸術大学 学長 竹本義明

名古屋芸術大学 学長

竹本義明

 新型コロナウイルス感染症拡大にあたり、4月7日に安倍総理が改正新型インフルエンザ等特別措置法に基づく緊急事態宣言を、また、4月10日に大村愛知県知事が「愛知県緊急事態宣言」を発出しました。
 これらの「緊急事態宣言」の発出を受け、名古屋芸術大学の設置母体である学校法人名古屋自由学院では、新型コロナウイルス感染症が拡大している事態を学院全体として危機事象と捉え、4月10日、新型コロナウイルス感染症へ対応するために危機対策本部を設置し、大学機能の維持に努めるとともに、感染拡大防止と学生、教職員及び近隣住民の安全確保を第一優先とし、併せて国や自治体の要請に積極的に応えるよう、早期から対応してきました。

 たとえ一時的にではあっても、教育研究機関である大学が、施設を閉鎖し教育活動を休止しなければならない事態は開学以来の危機であり、まさに苦渋の決断でありました。しかし、学生、教職員の健康を確保するとともに、公共財としての大学においては、社会的な価値を保つためにも、このような決断が適切であると判断しました。
 6月1日からは、オンライン授業に併せ、感染予防対策を実施した上での対面授業を行っていますが、今後、感染の状況に応じて教育活動ができるよう指針を定めて対応しております。

 これまでも入学式の中止や授業開始の延期等、度重なる変更をお願いしておりますが、学生、保護者、教職員の皆様のご理解、ご協力のおかげで大きな混乱を招くことなく、感謝している次第です。今後とも、なお一層のご理解、ご協力をお願いいたします。

 名古屋自由学院、そして名古屋芸術大学の建学の精神は、「至誠奉仕」です。これは、「人間性の不断の陶冶」という謙虚な姿勢を持ち、「豊かな感性」により獲得できる他人への思いやりや物事を見抜く力を得て、社会に貢献できる「想像力に富んだ人材」を育成する、という学院の教育理念を表した言葉です。
 新型コロナウイルス感染症に立ち向かうために、名古屋芸術大学の学生、教職員に求められているのは、この「至誠奉仕」の精神ではないでしょうか。
 「豊かな感性」により獲得できる他人への思いやりや物事を見抜く力から、自分の健康を守るだけでなく、他人への感染を防ぐために、「人間性の不断の陶冶」という謙虚な姿勢において節度ある行動をとり、社会に貢献できる「想像力に富んだ人材」となることによって、感染症拡大を抑制し、大学、そして社会を正常な状態に戻すことができます。そのためにも、建学の精神に立ち返ることが必要であると考えます。
 本学の学生、教職員が持つ名古屋芸術大学の力、「ゲイジュツのちから」が、今まさに試されています。
 この難局を乗り越えるためには、大学執行部の力だけでは到底、及びません。学生、保護者、教職員、その他、本学に関係する皆が一致団結し「オール名芸」とならなければ乗り越えられません。皆様方には、たいへんなご不便、ご無理を強いることとなりますが、大学、そして社会を正常な状態に戻すために引き続きご協力を賜りますようお願い申しあげます。

新型コロナウイルス感染症についてのお知らせを本学ホームページ上に集約し、随時更新しています。最新の情報をご確認ください。