荒木由香里
美術領域 アートクリエイターコース 非常勤
Webサイト
■個展
- 2007年
- 荒木由香里展(伊勢現代美術館 /三重)
- 荒木由香里展(アイン ソフ ディスパッチ/名古屋)
- 2008年
- 荒木由香里展「海ヨリキタリテ」(弁天サロン/佐久島、愛知)
- 荒木由香里展(アイン ソフ ディスパッチ/名古屋)
- Tiny tiny garden(足助病院/愛知)
- 2009年
- waltz(studio J/大阪)
- 2010年
- circus(アイン ソフ ディスパッチ/名古屋)
- 2011年
- Epistemology(アイン ソフ ディスパッチ/名古屋)
- あいちアートプログラム「星を想う場所」(新谷海岸、弁天サロン/佐久島 愛知)
- Constellation(studio J/大阪)
- 2012年
- Category(アイン ソフ ディスパッチ/名古屋)
- APMoA Project ARCH 何ものでもある何でもないもの(愛知県美術館/名古屋)
- 2013年
- Existence(アイン ソフ ディスパッチ/名古屋)
- 2014年
- すべてのものの半分はイメージで出来ている。[鳥とハイヒール](アイン ソフ ディスパッチ/名古屋)
- 2015年
- F、その周辺。(アイン ソフ ディスパッチ/名古屋)
- 2016年
- 眼差しの重力 (LOKO GALLERY/東京)
- 2017年
- 星を想う場所 (佐久島/愛知)
- 2018年
- 落ちた、羽スキップ。(アイン ソフ ディスパッチ/名古屋)
- 荒木由香里展 (ショコラトリータカス/愛知)
- 2019年
- 昼間の星 (佐久島/愛知)
- 荒木由香里展 (ショコラトリータカス/愛知)
■主なグループ展等
- 2003年
- まちなかアート(西春町、愛知)
- の素(Art&Design Center/愛知)
- 月の茶会(佐久島、愛知)
- 2004年
- G-U(Art&Design Center/愛知)
- 2005年
- dine.ex(Art&Design Center/愛知)
- ちょっとよりみち(T.A.G. IZUTO/名古屋)
- 2006年
- 今年もちょっとよりみち(T.A.G. IZUTO/名古屋)
- ホームメイド(プラスギャラリー/愛知)
- 2007年
- 今年もちょっとよりみち(T.A.G. IZUTO/名古屋)
- 十三粒のヘソのゴマ展(東山荘/名古屋)
- 2008年
- ASYAAF [Asian Students & Young Artists Art Fair](ソウル旧駅舎/韓国)
- 今年もちょっとよりみち(T.A.G. IZUTO/名古屋)
- 2009年
- ヨッちゃんの部屋 vol.4 アトリエの音楽展(大阪造形センター/大阪)
- エマージング・ディレクターズ・アートフェア:ウルトラ002(スパイラル/東京)アイン ソフ ディスパッチより出品
- VANTAN TOKYO(Galerie EOF/パリ)
- ART OSAKA 2009(堂島ホテル/大阪)studio Jより出品
- 越後妻有アートトリエンナーレ(十日町病院/新潟)
- アーツチャレンジ2009(愛知芸術文化センター/名古屋)
- 眼差しと好奇心 vol.5(Soka Art Center/台北、台湾)
- 2010年
- エマージング・ディレクターズ・アートフェア:ウルトラ003(スパイラル/東京)アイン ソフ ディスパッチより出品
- NAVIGATION 庄司達退官記念展(文化のみち橦木館/名古屋)
- 群馬青年ビエンナーレ2010(群馬県立近代美術館/群馬)
- MOOK(アイン ソフ ディスパッチ/名古屋)
- あいちアートの森 佐久島プロジェクト「雛の祭り」(弁天サロン/佐久島、愛知)
- 2011年
- ヨッちゃんビエンナーレ2011(de sign de/大阪)
- ART NAGOYA 2011(ウェスティンナゴヤキャッスル/名古屋)アイン ソフ ディスパッチより出品
- ART OSAKA 2011(ホテルグランヴィア大阪/大阪) studio Jより出品
- アートフェア京都(ホテルモントレ京都/京都)アイン ソフ ディスパッチより出品
- 2012年
- +プリュス:ジ・アートフェア003(スパイラル/東京)アイン ソフ ディスパッチより出品
- ART NAGOYA 2012(ウェスティンナゴヤキャッスル/名古屋)アイン ソフ ディスパッチより出品
- アートをおうちに持ち帰る。新しくて、楽しくて、温かい毎日が始まる。展(銀座三越画廊/東京)
- View(アートラボあいち/名古屋)
- 大イタリア展 Viva italia!(心斎橋スタンダードブックストア、studio J/大阪)
- アート京都 2012(ホテルモントレ京都/京都)アイン ソフ ディスパッチより出品
- 2013年
- The ART Museum(ミッドランドスクエア/名古屋)
- -現代美術は今-SEVEN TYPES(松坂屋名古屋店美術画廊/名古屋)
- 女性アーティストたちの視点(阪急うめだ本店、アートステージ/大阪)studio Jより出品
- 解ける魚-現実のつづき-(京都精華大学ギャラリーフロール、ギャラリーパルク/京都)
- 2014年
- 7TYPES×2(松坂屋名古屋店美術画廊/名古屋)
- ジ・アートフェア+プリュス-ウルトラ(スパイラル/東京)アイン ソフ ディスパッチより出品
- ASIA HOTEL ART FAIR SEOUL 2014(Lotte Hptel Seoul/韓国)COHJU contemporary artより出品
- 名古屋芸術大学OBOG展(Art&Design Center/愛知)
- Affordable Art Fair Singapore(F1 pit building/シンガポール) Ohshima fine artより出品
- Affordable Art Fair Hong Kong(HHKCEC/香港) Ohshima fine artより出品
- ASIA HOTEL ART FAIR HONG KONG 2014(arco Polo Hong Kong Hotel/香港)COHJU contemporary artより出品
- 大ドイツ展 Grossartige Deutschland Aussetellung(studio J/大阪)
- 2015年
- ジ・アートフェア+プリュス-ウルトラ(スパイラル/東京)アイン ソフ ディスパッチより出品
- ART NAGOYA 2015(ウェスティンナゴヤキャッスル/名古屋)アイン ソフ ディスパッチより出品
- 侘寂島(HANGAR H18/Brussels)
- 連茎する現代アート(名古屋市芸術創造センター/名古屋)
- あいちアートプログラム 豊穣なるもの-現代美術 in豊川(豊川信用金庫旧いなり支店/豊川)
- 三重の新世代 2015(三重県立美術館/三重)
- 2016年
- 2015年度魅力発信事業成果展 リフレクション (岐阜県現代陶芸美術館/岐阜)
- ヨッちゃんビエンナーレ 2016 コラージュ・キュビズム (Cap Studio Y3/兵庫)
- 愛知からの発信・発進(市民ギャラリー矢田/愛知)
- Sky Over Ⅲ (アートラボあいち大津橋/愛知)
- 2017年
- International workshop “DRAWING” inHannover (Galerie Rode und Lanfer/ハノーファー、ドイツ)
- 遭遇するドローイング ハノーファー×名古屋芸術大学 2017( Art&Design Center/愛知)
- ART OSAKA 2017 (ホテルグランヴィア大阪/大阪)
- ヨッちゃんビエンナーレ (オリエアートギャラリー/東京)
- ART in PARK HOTEL TOKYO 2017 (パークホテル東京/東京)
- 2018年
- 京都アートラウンジ(アンテルーム京都/京都)
- ART in PARK HOTEL TOKYO 2018 (パークホテル東京/東京)アイン ソフ ディスパッチより出品
- 船/橋わたす 2018 (奈良県立大学/奈良)
- 愛でるブレイク前夜展Ⅲ (MEDEL GALLERY SHU/東京)
- VOGUE FASHION7S NIGHT OUT 2018(神戸大丸/兵庫)
- ART OSAKA 2018 (ホテルグランヴィア大阪/大阪)アイン ソフ ディスパッチより出品
- reJuvenation (STUDIO J/大阪)
- 2019年
- ブレイク前夜 (六本木ヒルズADギャラリー/東京)
- 2020年
- ART NAGOYA 2020 (ウェスティンナゴヤキャッスルホテル/名古屋)アイン ソフ ディスパッチより出品
- artTNZ(TERRADA ART COMPLEX Ⅱ/東京)
- ノンヒューマン・コントロール (TAV GALLERY/東京)
- 富士の山ビエンナーレ2020 (三嶋屋酒店、富士/静岡)
■ワークショップ
- 2007年
- ゴミで植物をつくろう。(伊勢現代美術館/三重)
- パブリックコレクション
- 佐久島(愛知県西尾市)
- 2008年
- サクシマのイキモノをつくろう。(弁天サロン/佐久島、愛知)
- 2009年
- 風景画を描こう。(やさしい家/新潟)
- 2011年
- 星をつくろう。(弁天サロン/佐久島、愛知)
- 2012年
- 世界に一つだけ!オリジナル人形をつくろう。(岐阜県現代陶芸美術館/岐阜)
- 2014年
- 大きなお面をつくろう。(御油小学校/愛知)
- 2015年
- へんてこえんぴつキャップ~オブジェにもなるよ!(豊川市一宮生涯学習会館/愛知)
- 2016年
- ウラ⇄オモテでコラージュ (アートラボあいち大津橋/愛知)
モノの魅力
「若者の〇〇離れ」というフレーズを耳にして久しい。○○には、音楽、ファッション、クルマ……、ときに恋愛や結婚など、そんなことないのではと思うような事柄も加えられる。いってしまえば30年前のバブル期から市場規模が小さくなったものをあげつらっているだけなのだが、挙げられているモノたちの本質的価値は変わっていないものの、市場的な価値は下がり続けているといえる。例えば音楽。30年前、気に入った一曲を聴くためには、CDを買うかレンタルしてコピー。いずれにしてもそれなりの費用がかかった。シングルカットされていないアルバムの曲ならなおさらだ。ところが、音楽が配信になり曲単位で販売されるようになって金額は下がり、さらにサブスクリプション1曲あたりの単価は安くなる一方である。今ではYouTubeでたいていの曲は無料で聴けてしまう現実もある。音楽が人に働きかける本質的な価値は変わっていないはずだが、市場的な価値は目減りしてしまった。音楽に限らず、他の領域でも似たり寄ったりで、情報と物質のどちらも市場的な価値は一方的に下がり続けているといえる。このことの裏返しに、生演奏を聴いたり、現場に赴いて実物を見ることなど、体験価値は向上し続けている。コロナで停滞してしまった1年だったが、モノとヒトとのかかわり合いはゆるやかに変わり続けている。前置きが長くなってしまったが、荒木さんの作品を見ると、モノとヒトの関係を考えさせられる。さまざまなモノがその価値で分けられるのではなく、純粋に色と形によって集められ、ひとつの作品を形成している。繊細で美しく、ときにユーモラスであり、グロテスクな部分もある。作品となったモノたちと人間の関係性の記憶のようなものも立ちのぼる。
「小さい頃から収集癖があって、気になったら何でも集めるんです。雑貨が好きなんですが、雑貨といっても、おもちゃだとかかわいいものだけでなく、自分では使わないライターやろうそく、石だとか、とにかく気に入ったものは集める、そんなふうだったんです」。
荒木さんは、「アサンブラージュ(仏語で、寄せ集め、組み合わせることの意)」という雑多な日用品や工業製品、廃品などを寄せ集めて立体作品を制作している。多くのアサンブラージュの作品は、廃物から利用されることもあり、ジャンク・アートとして捉えられ、美しいものというよりも社会に問題を喚起させるような作品になりがち。ところが荒木さんの作品は、そうした作品の対極にあるような、高い完成度と美しく静かな佇まいが目を引く。「学生時代、私が在籍した当時は彫刻科ではなく造形科だったんですが、在学中も木を彫ったり石を彫ったり、粘土をこねたりっていうタイプではありませんでした。自分に合った素材を探すようなコースで、それらを使って空間表現をする作品を制作していました。夏休みにレディ・メイド(大量生産の既製品からその機能を剥奪し「オブジェ」としての価値を見いだす作品概念)の課題があり、これだ!とひらめきました。小さい頃から集めていたものがあり、私、めちゃくちゃ素材を持ってる!(笑) 今も、気になったいい形のものがあるとストックしていますよ」。
立体造形の感覚は高校時代にはしっかりと自覚があったようで、進学にあたり立体を学ぶことができる大学を志望した。しかし、その選び方がユニーク。直感で選んだという。「庄司達先生(名誉教授、2010年に退官)に教わりたくて大学に入ったんです。高校時代から庄司さんの作品は美術館で見て、凜としていて美しく、とても印象に残っていました。名芸で教えていることはオープンキャンパスへ行ってはじめて知りました。気難しそうで怖そうに見えましたが、話してみると穏やかでいいなあと思いました。学校の門をくぐったときから直感でここだと思っていました。私はここにいる気がするとか、そんな直感です。ほかの大学のオープンキャンパスへもいきましたが、先生に会って、この人からは絶対に教わりたくない、と感じたり。何の実績もないんですが、偉そうに先生を査定するようなつもりで見ていましたね(笑)」。直感は正しかったようで、今も師の教えを心に刻んでいるという。「先生から『やると決めたら失敗しても必ずやりきること。失敗するにしてもちゃんと失敗しなさい』と言われていました。失敗しなければわからないこともあるし、やりきらないとどうして失敗したのか、そのときの自分のレベルがどれくらいだったのか、そうしたこともわかりません。だから、やるとなったらきちんと仕事をしなさいといわれました。それは、今もすごく役に立っていて、私の軸になっています」。
身近なモノを見つめ直し、その価値を再構築する作業。これは作品の制作だけでなく、人へのかかわりや、生きることすべてに通じるところがある。「今の学生を見ていると、就職しなきゃいけないとか、なにかにならなきゃいけないとか、先のことばかりを考えがちです。未来というのは身近にあるものの積み重ねであって、目の前にあるものにしっかり取り組んでいくことで、先のことが見えてくるのではないかと思います。身近なところから自分の興味を拡げていき、失敗しながらもやっていけば、それが別のことにつながり、なにかになるんだと思います」。失敗しながらも進んでいけばいいと学生たちに言葉をかける。モノもヒトも、一度フラットな関係で見つめ直し、その魅力を探っていく姿勢は変わりない。
Red / 2015
h175×w360cm photo:尾崎芳弘
粗品 little gift / 2015
豊川信用金庫旧いなり支店 インスタレーションビュー
Yellow / 2018
h180×w200×d50cm photo:尾崎芳弘
Red / 2018
LOKO GALLERY個展のインスタレーションビュー photo:尾崎芳弘
Pink / 2012
h56×w53×d18cm photo:尾崎芳弘
Curtain of swans / 2015
名古屋市芸術創造センター インスタレーションビュー photo:城戸保
F / 2015
h180×w62×d15cm photo:尾崎芳弘
Euclid / 2018
h65.5×w28.5×d18cm, h43×w25×d15cm photo:尾崎芳弘
Regal wing tip shoes / 2018
h40×w29.5×d20cm リーガルとコラボレーションした作品 photo:尾崎芳弘
新月のハイヒール / 2019
h18.5×w23×d9cm photo:尾崎芳弘
佐久島での個展「昼間の星」ポスター / 2019
デザイン;白澤真生 photo:尾崎芳弘
Silver / 2020
h80×w28×d24.5cm photo:尾崎芳弘