Art & Design Center WEST

『杉山仁彦展』

  名古屋芸術大学 西キャンパス Art & Design Center Westでは2022年5/20(金)〜5/25(水)の期間、《粉のように、自由に。自然の美しさを陶器に。》をテーマに『杉山仁彦展』を開催中です。是非お越しください。

私はどこへ向かうのか。

 私は、もの派や、新表現主義(ニューペインティング)などの作品から強く影響を受けている。
 もちろん現代陶芸や前衛陶芸、骨董、もっと言うと自然や コンクリートなどの「素材」からも影響は受けているし、とても好きだが強く受けているのは、最初に書いた二つである。
 知識は多いわけではないので、間違っているかも知れないが思うことがある。「もの派の作品には作家の内面が表現された物が少ない」と。それと同時に「新表現主義の作品には感情的に描いた作品が多く、勢いに溢れている」と。 何かしら意図があって作家の内面が作品に反映されていないのだろうと思っているが、私は新表現主義のように作品に自分の意図を、自身の内面を介在させたい。そうでなけ れば自分、つまりは杉山仁彦が制作をした意味がなくなっ てしまうのではないのかと感じている。
 私が今回制作した作品は、もちろん人工物だが、その中にも自然が見せる美しい表情がある。しかしそれは普段生 活している中で、見過ごしてしまっていることが多い。壁 の汚れやコンクリートのひび割れ、角材の節などさまざま である。それらは、詫び・寂びの「見立て」ではないが、 そのような日本特有の美意識をもう一度取り戻し、生活してみて欲しい。すると、至る所に素材が時折見せる美しい表情が隠れていることに気づくだろう。

Art&Design Center WEST
アートクリエイターコース集合写真

取材当日は、田中良和 非常勤講師(芸術学部 芸術学科 美術領域 工芸コース・・写真上列左から4人目)による講評中でした。