ヴィジュアルデザインコース
名古屋城本丸御殿にて「ナゴヤ展」を開催
2021年2月5日(金)から10日(水) 名古屋城本丸御殿・孔雀之間にて、ヴィジュアルデザインコース3年生による展覧会「ナゴヤ展」を開催しました。
「ナゴヤ展」は、例年ヴィジュアルデザインコース3年生が取り組んでいる課題で、本丸御殿で開催するのは今回で3回目。名古屋城の本質的価値を考えデザインを通して伝える作品を制作、展示する展覧会です。学生らは、例年、なんども名古屋城に足を運び、歴史を調べ、自分なりに価値や魅力を発見して作品に仕上げます。今年は、コロナウイルスの影響もあり開催が危ぶまれましたが、感染防止に配慮しながらなんとか開催まで漕ぎつけました。
2月4日(木)には、展示会場の設営を行い、名古屋市観光文化交流局の方、関係企業の方をお迎えし講評会を行いました。
展覧会を開催するにあたり、9月から名古屋市観光文化交流局 吉田氏、西浦氏には来校していただき名古屋城の歴史について講義を行っていただき、その後、学生らは名古屋城へ赴きそれぞれに魅力に感じる部分を調査、作品に仕上げます。
担当する担当するヴィジュアルデザインコース 遠藤一成准教授は、「今年は例年と異なり、開催自体が危ぶまれました。講義の進め方も、ディスカッションしづらい、集まって制作もできないという特殊な状況でした。正直にいえばそれほど完成度の高いものは望めないと思っていましたが、良い意味で裏切られました。学生たちはよく頑張ってくれたと思います」とコメントしました。
作品は、コロナ禍に配慮してスタンプラリーなどの単純に名古屋城園内を歩くようなものではなくスマホを使いバーチャルと連動させるものが多く、瓦や釘隠、襖絵の動物や植物などディテールをクローズアップしたもの、城内で疎になっている二之丸庭園に焦点を当てたものなど、バリエーション豊かなものとなりました。
講評は、ひとりひとりプレゼンテーションを行い、それに対して意見をいただきました。密にならないように学生は2つのグループに分かれ、2回に分けての講評会となりました。ゲーム感覚で楽しめるもの、ロッカーの不便を解消するアイデア、城内の猫ハナちゃんをモチーフとするものなど、ときにはプレゼンを聞いた参加者から笑みがこぼれ、学生らしいユニークなアイデアを楽しんでいる様子でした。
名古屋市観光文化交流局 吉田氏からは「自分にとって、たくさんのきっかけをいただける展覧会で、今年もいいアイデアがたくさんありました。すぐにでも使えそうなもの、もっと発展させたいと思うもの、作品はそれぞれですが名古屋城の魅力を捉えてそれを表現しようとしていることを感じます。それはとても大切なことで、大きな可能性を感じました。卒業してからも大いに役立つのではないでしょうか。作品のアイデアは、職員としても刺激になるものばかりで、次へのステップにつなげたいと考えています」との言葉をいただきました。
西浦氏からは「純粋に楽しかったです。たくさんの視点があることにはいつも感動します。これまで気が付いていなかったようなことが今年もたくさんありました。とくに現状、子供にアピールできるような解説や展示は少なく、子供向けのアイデアがとてもいいと思います。学生ならではの視点はとても参考になります。ありがとうございます」とのコメントがありました。
名古屋城に関係する方々からのコメントだけに非常に意義深く、学んでいることと社会とのつながりを考えさせるとても有意義な講評会となりました。
ナゴヤ展の関連として、現在、昨年制作された森島ひかりさんの石垣をモチーフにした作品が商品化に向けて進められており、間もなく正式に発表になります。こちらもぜひお楽しみに。