大倉悠揮(おおくら ゆうき)
大学院デザイン研究科
ライフスタイルデザイン研究2年
木の面白さを伝えたい
丁寧な作りが印象的な木のおもちゃ。木にこだわりが?
じつは祖父が大工をやってたんですが、子供の頃から身近にあったからなんでしょうかね。木の匂いが好きで、木の違いによって匂いも違いますよね。木によって、堅いもの、柔らかいものがあり、触る感覚も好きだし、お椀や箸、食器なんかだと口で含むから味覚にも来ます。五感で楽しめる、それが面白いなって思います。
ずっと木を触ってきたんだ
そんなことはなくて、大学に入ったときはゲームが好きだったので、最初は木工とは全く関係なくプログラミングの方でゲームを作ってみんなに遊んでもらっていました。その頃は自分の作品のテーマを思いつかなかったんです。1年生の終わりの頃、フィリップ・ブース先生(2002〜2010デザイン学部教授)の手伝いをやったときに木の魅力に気が付いて、2年の授業でもブース先生に木を勧められたことがあって、それ以来、いろんな課題があるんですけども必ず決まって木を使うようになっていたんです。それで、木の遊びというか、おもちゃがテーマになっていきました。院生になってからは、いかに木の面白さを世の中に伝えられるかということを考えて作るようになりました。試行錯誤しながら、おもちゃだけでなくテーブルや椅子、スツールなど、家具にも今は取り組んでいます。
おもちゃを習作で作るようなことはあっても、メインにすることはめずらしいんじゃないですか?
そうですね。おもちゃっていうジャンルは、職人さんが定年退職したり、建築関係のデザイナーなんかが、本来の仕事とは離れたところで発表していることが多くて、若手の人がおもちゃから入るというのはめずらしいと思いますね。おもちゃは、わかりやすいじゃないですか。自分の作ったもので周りに喜んでもらうこと、作品を楽しんでもらうことが大事だと思っているんです。ゲームを作っていた頃から変わってないかもしれないですね。
自分の作品の特徴はどんなところだと思いますか?
特徴というほどのことはまだないんですけど、自分のスタンスとして、作ったものを実際に使ってもらってそれを観察して次の作品に活かしていくということをやっています。あるおもちゃ会社の社長さんからヒントをいただいたんですけど、会社が公園のすぐ目の前にあって、そこで遊んでいる子供たちを観察して商品作りに役立てているんですよ。それで、僕も東京おもちゃ美術館へ行って、親御さんの許可をいただいて子供たちを観察したりしました。子供たちの行動をじかに見て、作品に取り入れるようにしています。 -子供の観察に限らず、全国いろんな会社や美術館へ見に行っているようですね 院生になってから、日本各地の職人さんのところにいって、いろんな話を聞くことができました。今は職人さんに近いところを追いかけている感じですね。職人さんは、作家やデザイナーと違って技術第一優先で、技術を磨くために一所懸命やっています。その技術に少しでも近づきたいですね。
将来は?
うーん、そうですね。今のところは、木工所とか会社に入って、木のことをもっと勉強したいですね。基盤を作った後に、独立して木の面白さを伝える活動ができれば理想です。
遊木(ユウキ)
【100×100×100mm 2012年度 名古屋芸術大学卒業制作】
卒業テーマは、木のおもしろさを再発見することができる作品作り。木の面白さを伝える方法は、デザインやカタチだけではないはずと、試行錯誤しています。
ライフスタイルデザインは、ものを考えることがメイン。ものづくりにこだわる自分は、ライフスタイルデザインでは初めてのタイプじゃないかと言われているようです。
ものを作ることは、インダストリアルデザインやスペースデザインなどそのコースでもできます。
ライフスタイルは考えることが身につくので、それが自分にはよかったかなと思います。
おもちゃってなんだろう?積み木、人形いろんな種類のおもちゃがあり、みんな自分の姿をドンと出して人を引きつけます。私が提案するのはそんな「おもちゃの形」が隠れるおもちゃであります。隠すのになんのメリットがあるの?そう思った人もいるでしょう。隠す事は人を「あっ!?」と驚かせる事が出来きる魔法の仕掛けであります。私はそんな魔法を持ったおもちゃを9つ提案し9つそれぞれの驚きを提供します。