名古屋芸術大学

NUA OB

平松知恵(ひらまつ ちえ)

保育士

2013年
人間発達学部子ども発達学科卒業
2013年
平田保育園勤務

育てることの面白さ

 勤務する平田保育園にお伺いした。本学からも近い名古屋市西区平出町、郊外の住宅街といった風情の中、保育園とは思えない大きな建物である。聞けば、特別養護老人ホームと同じ建物に設置されている保育園なのだそう。自然の木材が多用された建築は、心を和ませる。広い厨房があり、大人用の食事と園児向けの昼食を賄い、何十人もが一度に利用できそうな喫茶室も用意されている。現れた平松さんは、子どもが安心しそうな可愛らしいエプロン姿。きっちりと結ばれた髪と、飾り気なく整えられた爪に、保育士としての職業意識を感じさせる。「入った年からゼロ歳児を担当していて、今年も引き続きゼロ歳児を見ているんです」

 6人兄弟(!)の一番上なのだそう。自分が子どもの頃から、妹、弟の面倒を見てきた。周りに小さな子どもがいることは、ごく自然なことだったという。「おむつを替えたりとかは、ずっと家でもやってきたことなので慣れていましたね」 一番下の弟さんは、平松さんが大学生時代に生まれたそうで、今もまだ幼稚園に通う年齢。母親を手伝って、妹、弟の面倒を見ていたことが保育士を志望した原点だ。「子どもとかかわるのは、やっぱり楽しいなと思います。一番下の弟、めっちゃかわいいですよ(笑)」

 学生時代は、保育士、幼稚園、小学校教諭、すべての資格を取得しようとやっていたが、途中から考えが変わったという。「取れる資格を全部取ろうともってやっていたんですけど、小学校の免許を取ろうと思うと教育実習が4年生になってからなんですよね。私は、就職活動が心配だったので小学校はあきらめようと。それに、実習をやっているうちに、やっぱり小さい子がかわいいなぁと思って」

 規模が大きな保育園施設だが、人数を伺うと現在180名ほどの子どもを預かっているとのこと。ゼロ歳児だけで12人、3人の保育士と1人の看護師でゼロ歳児を担当している。「お母さんの仕事にもよるんですが、朝早い子は7:00から保育園に来ています。生活パターンがみんなばらばらで、寝ている子もいれば起きている子もいるような感じです。保護者と連絡をとりながらひとりひとりの生活リズムに合わせて、機嫌良く一日が過ごせるように工夫していくのが難しいですね」

 コミュニケーションも、難しさの一つと話す。「子どもだけじゃなくて、お母さんとのやりとりもあります。自分が子どもを産んだことがあるわけではないので、お母さんの気持ちって、全部理解できるわけじゃないですよ。でも、ここの保育園には出産後に復帰された先生がいらっしゃるので、そんな先輩にお母さんの気持ちのフォローなどはお願いしてって感じです。私なんか、まだまだ全然ですよ」 大きな子どもへの対応や、子ども、一人ひとりに合わせた言葉の選び方など、日々勉強になるという。

 「学生時代には、アルバイトでもボランティアでもいいので子どもとたくさんかかわってほしいなと思います」 児童館で子どもと遊ぶアルバイトの経験がとても意義深かったとのこと。「その場では、そこにいる子どもたちとの関係を、一から始めなきゃならないじゃないですか。そうした経験がとても良かったと思います。自信にもつながりました」

 仕事以外の楽しみは、「うちに帰って弟の面倒を見ること(笑)」と笑顔。人を育てるという仕事の大変さと同時に面白さを実感している様子が見えた。 

学生時代は、サークル活動でリズム体操部に所属。「私は、全然ガッツリな感じじゃなかったですけど、やっていました」
イベントでリズム体操を披露

ゼロ歳児と一緒に作品作り。「ゼロ歳児なのでまだ絵は描けないんですけど、シール貼りなら楽しみながらできます」

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