名古屋芸術大学

NUA Student

梶田奈月

かじた なつき

音楽学部 音楽療法コース 3年

音楽療法って人の輪が広がる感じかな

音楽療法を選んだ理由は?

 もともとは中学校の音楽の先生になりたかったんです。これまで私が出会った先生が、悩んでいる時に親身になってくれるようないい先生ばかりで、それで私も先生になろうと思って大学に入ったんです。音楽総合コースで入ったんですけど、1年生の最後の時に先生が障がい者の子に音楽療法をやっている現場を実際に見せていただいたんです。それにすごく感動しました。言葉を発せない障がい者の子たちと音楽を通してコミュニケーションを取っていく、それで一つの音楽を作っていく、先生たちとコミュニケーションが取れているなということをすごく感じてそこにすごく感動しました。音楽の先生になりたいと思っていたんですが、音楽療法コースに移動して専門的に勉強することにしました。

先生にから音楽療法に変わったんだ

 アルバイトで学習塾の丸付けをやっていたのですが、その塾に自閉症の子やダウン症の子がいてそういう子とかかわることも多かったんです。教員志望でしたが、音楽療法も知っておいたほうがいいだろうと思っていたので、どちらもできるように総合コースに入ったんです。

音楽はいつ頃から好きだったの?

 私が音楽をやる気になったのは、今思えば2歳か3歳の時にサンタさんから楽器のおもちゃをもらった時だったかもしれません。それですごく音楽に興味を持って、保育園の時にピアノを始めて、小学校6年生の時にクラブ活動でブラスバンドをやって、中学では吹奏楽部がなかったので合唱部に入って、高校で吹奏楽部に入りました。楽器はトロンボーンです。小学生の時のブラスバンドもトロンボーンでした。その頃は、私の中ではサンタさんは実在してまして、ずっとサンタさんに「トロンボーンが欲しい」とお願いしていたんです。親には「そんなに重たいもの運んでこられないよ」といわれてました(笑)。

名古屋芸術大学を選んだ理由は?

 オープンキャンパスに行ってみて、すごく設備が整っていて先生たちもいい人ばっかりで、ここがいいなと思いました。それから、いろんなことが学べるということが一番大きかったですね。音楽療法のこともちょこっとだけ頭にあったので、もう総合コースでやろうと思いました。同じ高校の部活の先輩が名芸に入ってすごく頑張っていらっしゃって、それを見て自分も同じように頑張りたいなと思ったのもありますね。

サークル活動もやってる?

 ミュージックボランティアサークルというサークルに所属しているんですけど、なぜか私が部長になっちゃって頑張っています。じつは、サークルに積極的に参加しようというきっかけになったのが、自分は音楽総合コースだったので、音楽療法コースにあんまり知り合いがいなかったんです。音楽療法の教室に行っても先輩たちがいると自分の居場所がなくて、先輩ともしゃべれないしどうしようかと思っていて、そこの先輩たちとのかかわりを増やすのが目的で参加したんですよ(笑)。本当のところは初めボランティアには、それほど強い思いはなかったんです。今は、障がい者の子どもにかかわる施設2つのボランティアと、単発で地域の人たちと小さな演奏会を開いて、そこで楽器を触ってもらったり自分たちの演奏を聴いてもらったりという活動をしています。

サークルなのか授業なのか区別がないね。単位欲しいくらいだね(笑)

 そうですね(笑)。うちのコースが主になってやっているサークルということもあって、授業の実践みたいですね。音楽療法と聴くと、私がそうだったんですが、癒やしてあげるだとか、おじいちゃんおばあちゃんに音楽を聴いてもらってよかったわ、といってもらえるのがそうなのかなと思ってたんです。だけど、いろいろなものを見てきたり体験したりしてきて、音楽を通して人と人とがつながるみたいな、人の輪が広がっていく感覚なのかなと思うようになりました。演奏のうまい下手じゃなくて、一人一人誰もが持っているリズムや音があるので、それを表現するのが音楽療法なのかなと、最近はすごく思います。

音楽療法って演奏会とはまた違う達成感みたいなのがありそう

 ありますよ。コンクールなどは、演奏が終わった瞬間うまくできた時泣けてくるみたいな達成感がありますけど、音楽療法はその音楽に感動して泣くというよりは、その人とつながった、その人が成長したっていうことに関して……

成長?

 何度もセッションに行っていると、今まで楽器で反応してくれなかった子がこの音楽が鳴ってる時には音で返してくれたとか、そういう発見があります。その時この子も成長したなと感じ、そのことで泣けてきそうになる時はありますね。

ミュージックボランティアサークルの活動。「子供からお年寄りまで幅広い年齢の方が来るので、誰でも楽しめるようにプログラムを考えます。簡単な楽器を使って演奏に参加してもらうこともあります」

お花見・七夕演奏会

旧加藤邸にて演奏

夏休みのほとんどを費やしたトーンチャイム

地域の公民館で演奏しました

かばんの中には、楽譜にレジュメ、中学校の音楽の教科書。ノートには実技の記録がびっしり。手前はおべんとう

普段よりちょっと大人っぽい? 「ニットはお母さんと一緒に買いに行きました」

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