2023年10月5日(木)~7日(土)の3日間、愛知県国際展示場 AICHI SKY EXPOで開催された「SDGs AICHI EXPO 2023」で、佐久島SDGsプロジェクト計画「海のごみ 島だから見えるコト! わかるコト!!」で学生が制作した作品を展示しました。このプロジェクトは、美術領域コミュニケーションアートコースが中心となり、佐久島の環境を脅かす「漂着ごみ」の存在を広く一般に周知し、抑制につなげるためのアート作品を制作するというもの。アート作品を通して、佐久島の環境と問題について広く知ってもらおうというプロジェクトです。5月の佐久島視察に始まり、9月に最終のプレゼンテーション、さらにブラッシュアップして今回の展示となりました。
今回の展示は西尾市が主体で、会場の中の自治体エリアでの展示となり、限られたスペースのためすべての作品を展示することができません。プロジェクトを運営する西尾市 佐久島振興課 三矢由紀子さん、東海テレビプロダクション クリエイティブセンター ディレクター 中山篤史さんのお二人に作品をセレクトしていただき、設営もお任せする運びとなりました。自治体エリアの他の展示は地域の特産品が多く、アート作品を展示する佐久島ブースは一味違うユニークな存在となりました。
作品の選択について伺うと、「今回、発表の場所がイベント会場ということもあり観光客も多く来場されます。そんな中、美術館に置いてあるようなものよりも、親しみやすさや入り込みやすさということを考えました。そこで、まず触ることのできる作品『はぐくみくん』(美術総合コース 2年 宮池莉菜さん作)を前面に置き、お客さんにも『どうぞ触って下さい』と声をかけています。触っている間にごみの話をし、特にごみ自体は悪くないというコンセプトを伝え、他の作品へ誘導する、そんな流れの展示にしました。難しいデータを見せなくても、なにか感じるものを伝えることができる、アートの力を感じています」(中山さん)。
「アート作品として単純にかわいい、きれいがあり、その裏にはこうした環境に対するテーマがありますと説明しています。佐久島の問題について、まず知ってもらうことが大切だと思います。これまで佐久島での活動は、人員が足りなくてボランティア活動というか、外部の人に来ていただいてやってきました。それをこうした機会にアピールして上手く広げられればと思います。来ていただいた方がまた来たいと思えるような、今度は私たちがこれまで来ていただいた方たちに恩返しというか、おもてなしをしていけたらと思っています」(三矢さん)、と展示に手応えを感じているようで安心しました。
取材当日は、平日ということもあり出展の関係者が多くいらっしゃいましたが、しっかりと作品の背景まで見て説明を受けるお客さまが多く見られました。企業の方、環境省の方にもしっかり作品を見てもらい、取り組んだ甲斐があったとの声も聞かれました。町おこし的な出展が多い中、ごみ問題という社会問題を扱う出展は、SDGsの考えに即したものであり意義深いものなりました。
今後、作品は、2023年10月14日(土)に田原市で行われる「三河湾大感謝祭」、2023年11月18日(土)、19日(日)に東京で開催される全国の島々が集まる祭典「アイランダー2023」、2023年11月23日(木)~12月10日(日)、佐久島へ渡る船乗り場近くの「佐久島ナビステーション(さくナビ)」にて展示されます