株式会社ファーストとデジタルサイネージの新たな用途開発、卒業制作展でプロトタイプを展示

 株式会社ファースト様との連携で進められている新しいデジタルサイネージの用途・形のアイデアを創出するプロジェクト、2023年度前期ではインダストリアル&セラミックデザインコース、カーデザインコースの4年生、大学院デザイン研究科の1年生が参加し、新しいデザイン案を提案しました(プレゼンテーションの様子はこちら)。
 プロジェクトの後期では、インダストリアル&セラミックコースの2、3年生13名の有志がスケールモデルを制作、それをもとに株式会社ファースト様にてプロトタイプを製作、卒業制作展で披露することとなりました。
 当初の予定では、前期のデザイン案をスケールモデル化しようと想定していましたが、実際にプロトタイプまで製作することを考慮して実現可能性の高いデザインに落とし込み、サイネージの外観部分のデザインを考案しました。学生らしい自由なアイデアがあふれるユニークなものとなりました。

 モデルの制作にあたり、設置される場所と表示されるコンテンツを想定し周辺に馴染むようなデザインを再検討。ID/CDコース所有の3Dプリンターやレーザーカッターを活用してスケールモデルを制作し、できあがったモデルをファースト様にプレゼンテーション。6つのデザイン案を実際にプロトタイプとして製作していただきました。
 デザイン案は、モニターの存在をぼかすことを目的としたフレームを感じさせないデザイン、商品のディスプレイとしても使える家具のようなデザイン、柔らかな素材と組み合わせたソファーのようなデザイン、基本となるベーシックなディスプレイに着せ替えパネルを組み合わせて使える和風組子パネル、マンガの集中線がユーモラスな漫画パネル、柔らかな人工観葉植物を使った葉っぱパネル、と3つの案と着せ替えパネル3つの6種類。製作されたサイネージは、実際に卒業制作展の案内に使用しています。

 指導したデザイン領域 後藤規文教授は「今回、サイネージの枠を意識させないようなアイデアが中心となりました。周辺の環境に馴染むように、透かしにしたり植物を取り入れたり、サイネージの存在を軽くするようなアイデアです。広告が中心となるサイネージでは、通常では採用できない、どちらかというと目立たせなくするようなアイデアです。それでも環境にマッチするという視点で提案ができ、すごく面白いものができたのではないかと思います」と手応えを感じている様子でした。新しいアイデアの提案という難しい課題に対し、学生らしいユニークで価値のある提案となりました。