インダストリアル&セラミックデザインコースでは、鉄道・道路で利用される側溝や電線などを収容するトラフなど、コンクリート製品を製造する企業 フジプレコン株式会社様と連携し、コンクリート製品を製造する過程で発生する余剰分をリサイクルした、コンクリート製のプロダクトを考案しました。12月にアイデア出しを行い、中間プレゼンテーションを経て、2024年3月5日(火)フジプレコンの皆さまをお招きし、最終プレゼンテーションを行いました。コンクリートの質感や重量、自由な形に造形できるといった特性を考慮し10名の学生が12のアイデアを提示、3Dプリンターを使って制作したモデルとともに説明しました。学生らしいユニークなアイデアあふれる楽しいプレゼンテーションとなりました。
学生ひとりひとりが、モデルを手渡しコンセプトを説明、5分程度の簡単なプレゼンテーションを行いました。提案は、デスク周りで使える文房具やティッシュボックスなどのグッズ、コンクリートの重さを生かしたブックエンドやドアストッパー、手触りや質感に着目したマスコット、屋外で使えることを利用した鉢植えなど、さまざまなアイデアが出されました。フジプレコンの製品であるU字溝をモチーフにした作品や、犬やキャラクターなどをモチーフにした可愛らしい作品には、発想に感心する声も聞かれました。中間プレゼンからのアップデートに加え、実寸のモデルを目にするとコンクリートで制作することを考えている様子で、手応えを感じます。
プレゼンテーションを終え、フジプレコン株式会社様の選考により、最優秀賞に後藤ゼミで考案した「U字溝フォントとU字溝を使った文具」が選ばれ、代表者として山本遙奈さんが賞状を受け取りました。優秀賞にはコンクリートの重さと形を利用した小林由奈さん「チーズスタンド」が選ばれました。最優秀賞の「U字溝フォント」はU字溝をモチーフとしてアルファベットの立体を作り、表札にするなどさまざまに活用できるようにするアイデア。小林由奈さんの「チーズスタンド」はチーズの形をした置物で、穴に筆記用具や歯ブラシを差し込んで使います。「コンクリートの重さを生かしつつ、可愛くて身近に感じられるものを考えました」と説明しました。
講評として松林克法 代表取締役社長から「若々しい皆さんのアイデア、とても楽しく拝見しました。弊社だけではデザインの発想に頭打ちで、どう進めていけばいいものかと思っていました。もっと早く相談すれば良かったと感じています。今日のプレゼンテーションを見て、また新しいことに挑戦できるなと思いました。優秀賞の2つは、さらに研究を進めていきたいと思います」と今後の商品化が期待できるコメントをいただきました。
担当のデザイン領域 後藤規文教授は、「ただ単に飾るだけでなく、実用もできノベルティとして価値の高められるものができれば面白いと考えています」とコメント。松林代表取締役社長からは、ぜひ、一度、会社を見に来て下さいとの言葉がありました。サンプルとしてモデルと3Dデータをお渡しし、継続してプロダクト化を目指すことになりました。
(代表者)山本遙奈さん
小林由奈さん