「佐久島SDGsプロジェクト」 最終報告会を開催

 2024年9月13日(金)、美術領域コミュニケーションアートコースが中心となり制作が進められている「佐久島SDGsプロジェクト」の最終報告会を開催しました。このプロジェクトは佐久島の環境を脅かす「漂着ごみ」の存在を広く一般に周知し、抑制につなげるためのアート作品を制作するもの。2024年6月の現地視察から2ヶ月余り、これまでに制作した作品とそのコンセプトについての報告会です。最終報告にあたり、西尾市佐久島振興課 三矢由紀子さん、佐久島のアートマネジメントを行ってきたオフィス・マッチング・モウルの代表/ディレクターの内藤美和さんをお招きし、プロジェクトを担当する松岡徹教授の三者で作品を確認しました。制作された作品は、今年度さまざまな会場で展示されることになりますが、さしあたり2024年10月6日に蒲郡市の西浦温泉パームビーチで開催される「第11回三河湾大感謝祭」にて一部の作品のお披露目が決まっており、その選考も兼ねています。
 プロジェクトに参加する学生・院生は総勢14名、簡単にコンセプトを説明し作品をプレゼンテーションしました。
 作品は、コミュニケーションアートコースらしく立体作品が中心。カプセルトイとして販売できるような小さなものから、佐久島の浜辺に設置することを想定した2mを超える巨大な作品(もちろん今回はミニチュアを作成)まで、さまざまな作品がプレゼンされました。立体作品のほかにも、アニメーション作品やSDGsの考え方を用いたデジタル作品など、バリエーション豊かな作品が揃いました。いずれの作品も佐久島とごみ、環境を考えた作品で、作品の背景がとても重要です。背景にある考え方が作品として上手く表現されているか、また、作品から考え方が伝わるかがポイントになりました。
 発表から、作品の完成度、展示の大きさと見せ方などを考慮し、6つの作品が選ばれました。大学院 吉田絢音さんの神経衰弱のように貝殻を使って遊ぶ「貝柄あわせ」、4年生 石川清菜さんの佐久島の浜辺とごみの関係をレイヤー的に表現した作品、4年生 出口佳音さんのマイクロプラスチックを飲み込んでしまった魚を鯛焼きのように表現したオブジェ、4年生 山本星さんのシーグラスや貝殻など漂着ごみを使ったキーホルダー・ブローチ、3年生 松島佑芽さんの波と浜辺と漂着ごみをストレートに表現したオブジェ、2年生 竹内晴香さんの小さな漂着ごみやマイクロプラスチックを封じ込めたスノードームの6作品が「三河湾大感謝祭」で展示されることに決まりました。
 内藤さんからは、見せ方を想定していない作品や作品の背景が伝わりにくい作品があり、パネルなどとあわせて展示するようにコメントがありました。松岡教授からは、現時点では未完成であるものの、作品それぞれの完成度に対してのアドバイスがあり、残り少ない時間ではあるものの一層のブラッシュアップをするよう指示がありました。展示にあわせ、9月末まで制作が行われることになります。

 展示のスケジュールについては、三矢さんから説明がありました。2024年10月6日に「第11回三河湾大感謝祭」(西浦温泉パームビーチ、上記の6作品)、2024年10月10~12日「SDGs AICHI EXPO 2024」(愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)西尾市ブース、6作品)、2024年10月29日~11月24日「弁天サロン展示」(佐久島)、最終日の11月24日にはごみを拾いながらウォーキングするトレイルエコウォーキングもあり、ぜひ一緒に参加して欲しいとのこと。さらに、2024年12月5日~26日まで「佐久島ナビステーション 」(一色町)での展示となります。佐久島の今と課題を考えるアート作品、ぜひご覧下さい。