スペースデザインコース × 多治見市モザイクタイルミュージアム「モザミュータイルラボ・リレープロジェクト」作品展示スタート

 スペースデザインコースは、多治見市モザイクタイルミュージアムとの連携企画「モザミュータイルラボ・リレープロジェクト」に参加、2025年4月16日(水)、学生たちが制作した作品の設営を行いました。「モザミュータイルラボ・リレープロジェクト」は、タイル産業に関わる地域企業と大学が連携し、新たなタイルの魅力を模索・発信する取り組みです。モザイクタイルミュージアム2階の産業振興エリアの展示を、リレー形式で刷新していくこのプロジェクトに、スペースデザインコースは2022年から参加。学生たちは約1年にわたり多治見のフィールドワークや調査を重ね、地域の産業と向き合いながら作品を制作してきました。

 スペースデザインコースの4年生は、昨年から多治見の街を何度も訪れ、地域を調査してフィールドワーク、タイル、釉薬の工場、商社などを見学し、タイルの魅力について考察、地域のものづくりの魅力を体感しました。2024年10月の中間報告では、タイルと音の関係に着目した「風鈴」、タイルを取り替えられるようにして色や形を楽しむ「カスタム万華鏡」、タイルを組み合わせて作る和装の「帯飾り」、タイルの形を組み合わせ目地の部分に当たる隙間から光が漏れる「照明器具」など提案してきました。その中から、展示作品として「カスタム万華鏡」を選出。見る人が自由にタイルを入れ替えて楽しめる構造から、実際の展示ではアクリルケースにタイルを封入し、ケースを交換することで多彩な模様を楽しめる仕様に仕上げました。また、アイデア段階では巨大な万華鏡を考えていましたが、より体験しやすい大きさの長さ80cm、直径30cmサイズとしました。

 作品設営を前に、学生らはタイルメーカーに赴き、アクリルケースで作成した『タイルのプレパラート』に入れるタイルを集めました。参加したのは、スペースデザインコース4年、宮司帆乃香さん、鷲見早姫奈さん、坂元風河さんの3名。お伺いしたのは、タイルの企画販売を行う商社 長江陶業株式会社、タイル製造メーカーの杉浦製陶株式会社、オリジナルタイルの企画、製造、販売、輸出を手がける有限会社丸万商会の3社。それぞれ代表にお話を伺いながら、そこでしか扱っていない各社のオリジナルタイルをご提供いただきました。『タイルのプレパラート』は小さくて薄い、まさにモザイクタイル(表面積50平方センチメートル以下の装飾用平物タイル)を中心に集め、覗くことで企業それぞれの『色』が見えて来る事をコンセプトとし工夫し製作しました。

 『タイルのプレパラート』ができあがれば、あとは設置するだけ。モザイクタイルミュージアム2階 産業新興エリアに設置して完了です。参加した宮司さんは「子どもたちが手に取って操作する展示なので、壊れにくさと安全性を重視して丁寧に作りました」と語ります。モザイクタイルミュージアム スタッフの方々もさっそく万華鏡を覗き込み、「体験型の展示はとても良い。来館者の反応が楽しみです」と高い評価をいただきました。
 担当の西岡 毅 講師は「このプロジェクトを通して、タイルって面白いなと思う小さなきっかけを作る事が私達の役目なのかなと思います。」と話していました。
 展示は、モザイクタイルミュージアム 2階 産業振興エリアにて公開中(月曜休館)、学生たちの創意工夫が詰まったタイルの世界を、覗いて楽しんでみてください。