名古屋芸術大学ウィンドオーケストラ、海上保安庁「第四管区総合訓練」で演奏

 2025年11月23日、名古屋芸術大学ウィンドオーケストラは、海上保安庁が名古屋港で実施した「令和7年度 第四管区総合訓練」に参加し、巡視船みずほ船内で演奏を行いました。第四管区は、愛知県、三重県、岐阜県を管轄区域としその沿岸部から1,300kmの沖合いまでの海域を担任、海の警備・監視、海難救助、密輸・密航対策など幅広い任務を担っています。当日は一般参加者が乗船し、放水、高速機動艇の展示走行、ヘリコプターとの連携救助など、海上保安業務の実際を間近に見ることができました。

 名古屋芸術大学ウィンドオーケストラは、訓練の進行に合わせて4回の演奏を実施しました。午前の乗船受付時には、「Ocean」「TV&シネマメドレー」「宇宙戦艦ヤマト」など海にまつわる楽曲を披露、巡視船のヘリ格納庫に軽快なサウンドが響きました。演奏後に始まった訓練の迫力に、演奏を終えたばかりの学生たちも思わず目を奪われていました。
 展示訓練後は巡視船みずほが名古屋港を出港し、新舞子、中部国際空港セントレア方面へと航走。船上では「サザンメドレー」「タイタニックメドレー」などを演奏し、潮風に包まれながらの演奏は普段とはまた違った魅力を放っていました。演奏の合間には学生たちも甲板に出て、海側から眺める名古屋港の景色を楽しみ、この日ならではの特別な時間を味わいました。
 さらに船内では海上保安庁による広報ブースが展開され、マスコットキャラクター「うみまる」くんも登場。参加者と写真を撮ったり展示を見たり、船内は終始和やかな雰囲気に包まれました。音楽と海、そして海上保安庁の活動がひとつに重なる心温まる交流の場となりました。
 帰港直前の最後の演奏では、「ルパン三世のテーマ」から「宝島」へと続き、船内はクルーズのフィナーレにふさわしい高揚感に満たされました。最後の曲では乗客が手拍子で応え、アンコールが起こりそうなほどの盛り上がりとなりました。

今回の参加を通じて、学生たちは海上保安庁の規律ある姿と凜とした雰囲気、そして乗船者への心配りに触れ、“海を守る仕事”を身近に感じる貴重な経験を得ました。演奏を通して地域社会に関わりながら、音楽が公共の場で果たす役割を体感する一日となりました。

映像:第四管区海上保安本部より提供