余剰コンクリートに新たな可能性、インダストリアル&セラミックデザインコース × フジプレコン株式会社 2年生が新たなプロダクトを提案

 インダストリアル&セラミックデザインコースは、フジプレコン株式会社と連携し、余剰コンクリートを活用したプロダクト開発に取り組んでいます。2024年から継続する本プロジェクトでは、U字溝をモチーフにしたブロック「U字溝フォント」やチーズ型スタンドなどを試作。環境配慮型デザインとして注目を集めてきました。
 2026年2月17日には、2年生による新たなプロダクト提案のプレゼンテーションを実施。フジプレコン株式会社 松林克法代表取締役社長をはじめ、社員の皆様を本学にお迎えしました。

 学生たちは3Dプリンターで制作したモックアップを用い、余剰コンクリートの素材特性を踏まえながら、生活の中で生かされるかたちを提案。アクセサリースタンドやアロマディフューザー、フォトスタンドなど、コンクリートの質感や重量感を生かしつつ、日常に新たな感覚をもたらす多様なアイデアが並びました。

 今回のプレゼンテーションで印象的だったのは、アイデアの評価にとどまらず、「この形状は実際に成形できるか」「打設面はどこに設定するか」「型から抜く方向はどうなるか」といった具体的な製造視点から活発な議論が交わされたことです。学生と企業側が一体となり、実現可能性を探りながら提案を磨き上げていく姿が見られました。
 松林代表からは「コンクリートの特性を理解した発想になっている」「次につながる提案だと感じた」との講評があり、素材を踏まえた検討がなされている点に手応えを示されました。
 授業を担当する後藤規文教授は、プレゼンのやり取りを補足しながら、形状の成立性や構造の考え方について解説。デザインを“かたち”にするだけでなく、それをどのように製造し、社会へ届けるかまでを考えるプロセスに触れました。コストや工程、型構造など現実的な条件と向き合いながら意見を交わす姿から、デザインと製造が密接に結びついていることを体感する機会となりました。

 プレゼンテーション終了後には、後藤教授の案内でフジプレコンの皆様が卒業制作展を見学。松林代表はいくつかの作品に足を止め、「コンクリートに応用できる可能性があるのでは」と真剣な表情で鑑賞されました。椅子作品に実際に座り心地を確かめる場面もあり、終始和やかな雰囲気の中で交流が続きました。

 余剰コンクリートという社会課題を起点に、素材理解から造形、製造、商品化の可能性までを探る本取り組みは、デザインと産業を結ぶ実践的な学びの場となっています。素材の可能性を広げる挑戦は、今後も続きます。