「芸術家は、世界の悲劇をどう見たか」名古屋外国語大学学長 亀山郁夫先生による学術講演会を開催

名古屋外国語大学学長 亀山郁夫先生による学術講演会

 2026年8月29日(土)、本学東キャンパスにて、名古屋芸術大学 学術講演会(市民開放講座)を開催しました。この講演会は、本学の専門領域にとどまらず、さまざまな学術分野の第一線で活躍する方々を講師に迎え、広く地域の皆さんに学びの機会を提供するものです。大学を地域に開かれた「知の拠点」として身近に感じていただくことを目指し、継続して開催しています。

 今回は、名古屋外国語大学 学長の亀山郁夫先生をお迎えし、「芸術家は、世界の悲劇をどう見たか」と題してご講演いただきました。
 亀山先生は、ロシア文学・ロシア文化を専門とし、とりわけドストエフスキー研究で知られています。ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」をはじめとする作品の翻訳にも長年取り組み、文学や芸術を通して、人間や社会、歴史について考察を重ねてこられました。

 講演の大きなキーワードとなったのが、「黙過」と「共苦」です。広島への原爆投下、チェルノブイリ原発事故、東日本大震災、アメリカ同時多発テロなど、世界が経験してきた戦争や災害、悲劇を振り返りながら、芸術家がそれらをどのように見つめ、表現してきたのかが語られました。

 当日は多くの方が来場し、亀山先生の言葉に熱心に耳を傾けました。戦争や災害をめぐるさまざまな事例から、他者の苦しみをどう受け止め、想像することができるのかを考える、心に残る講演となりました。講演後には質疑応答が行われ、その後も亀山先生のもとを訪れ、感想を伝えたり直接言葉を交わしたりする来場者の姿が多く見られ講演の余韻が続いていました。芸術を入り口に、戦争や災害、他者の苦しみ、そして私たち自身の生き方へと思考を広げる、心に残る学術講演会となりました。