レゴランド®・ジャパン×名古屋芸術大学
産学協同プロジェクト 最終プレゼンテーションを行いました

 2020年11月29日、昨年6月にスタートしたレゴランド®・ジャパン株式会社との産学協同プロジェクトの最終プレゼンを、レゴランド®・ジャパンからコマーシャル マーチャンダイジング マネージャー土岐彰人さんとコマーシャル スーバーバイザーの岡野裕美恵さんをお招きし、本学西キャンパスB棟大講義室で行いました。
 冒頭に本学デザイン領域准教授の水内智英先生から、ご多忙の中本学へお越しいただいたレゴランド®・ジャパンのお二人への謝意、頑張ってきた学生たちへのねぎらいの言葉があり、最終プレゼンのスタートとなりました。

チームを代表してヴィジュアルデザインコース鈴木瑛士郎さんのあいさつ

 プロジェクトはコース・学年も全く異なる約20名の学生チームでスタートしました。7月の現地視察に始まり、学生ミーティングを経て集まった気づきを分類、9つの切り口で具体的なアイデアへと展開、班ごとに別れ企画を深めました。中間プレゼンではレゴランド®・ジャパンからお越しいただいた土岐さんとテクニカルサービス モデルショップスタッフの村松賢さんからご指摘・アドバイスを受けながらいくつものステップを越え、7つの提案に統合、実現可能な段階までブラッシュアップし本日ご提案できるまでになりました。

各チームプレゼンテーションを開始

 内容についてはレゴランド®・ジャパンで今後採用されるものもあり、現段階では残念ながら詳細なご報告は控えますが、学生ならではの着想はもちろん、費用面・お客様やスタッフの拘束時間やコロナを含めた安全対策まで、どれもよく練られた企画案でした。プレゼン自体も以前に比べかなりスムーズになり、企画案への考察の深まりを背景にした自信とプレゼンの練習量を感じました。土岐さんと岡野さんは熱心に耳を傾け、時折頷きながらメモをとっていました。
 発表後はスクリーン前のモックアップサンプルを手にとって確かめながら、担当学生から説明を受けていました。
 休憩を挟み、各企画ごとに質問と講評が行われましたが、講評に先立って土岐さんからご挨拶がありました。

レゴランド®・ジャパン土岐彰人さんご挨拶

 今春に皆さんに最終プレゼンをお願いしてからコロナ禍の影響で半年程時間が経ってしまいました。その間、私どものパークも感染症拡大防止のためクローズ、1日も早い再開に向けて、不自由な環境の中奮闘してまいりました。名古屋芸大の学生の皆さんも大変な時期だったと伺っております。おそらく私共と同様、リモートでの打合わせや、制限下で集合しての作業だったと思いますが、しっかり最終プレゼンまで仕上げていただき、とても感謝しております。
 この半年の間に新型コロナウイルス感染症拡大の影響で「できること」と「できないこと」が大分変わってしまいました。一方、私共もパーク再開に向けて模索し、「できないこと」も多い中、消毒を徹底するとこれは「できる」、お客様に並んでいただく列を工夫すればこれも「できる」と、ノウハウを積み上げてまいりました結果、営業を再開することができました。
 そういったことも踏まえた上で、今日プレゼンしていただいた提案のなかに「やはりこれはやりたい」というものがあります。私は皆さんに「実現することを前提に提案を」とお願いしました。アイデアの中には感染防止の工夫の更なる検討が必要なものもあり、全てやると現時点ではいえませんが、できるものは今日皆さんにお伝えして帰りたいと思います。
 その後の質問と講評は学生へのねぎらいと、この企画をパークの活性化へつなげようとする意欲にあふれたものでした。

水内智英先生コメント

 今までいくつもの産学連携事業を経験してきましたが、今回ほど丁寧に課題をいただいて、真摯に向き合っていただいたことは無かったと思います。今回の企画は、実際の現場担当者さんに参加していただいたことで、具体的なコンセプトと、それに結びつく実際のデザインと仕組みのアイデアが展開されています。一般に産学連携事業は「大枠のコンセプトとざっくりとしたアイデア」で終わってしまうものが多い中、今回のプレゼンテーションはどこに出しても恥ずかしくないものに仕上がっていると思います。大変な状況の中でのプロジェクトでしたが、ご協力いただいたレゴランド®・ジャパンさんと、我々の数々のダメ出しに耐え(笑)最後までやり遂げた学生達に感謝します。

則武輝彦先生コメント

 レゴ®社に視察に伺ったときに、レゴ®社の商品やレゴ®社の精神に大きな可能性を感じました。学生達がその「可能性」を丁寧に拾った結果、ご提案のヒントにつなげられたのではないかと思います。
 レゴ®ブロックは教育的構造を持っていて、最近多い「遊び方を強いる」玩具にはない「自分で遊びをみつけていく」素晴らしさがあると思います。この素晴らしさを消費者に知ってもらうには丁寧なアプローチが必要で、今回の学生達の提案はその点でも良くできているのではないかと思います。

レゴランド®・ジャパン土岐彰人さん 総評

 私が産学協同事業に参加するのはこれが2回目で、実際はどう進めて、どこまで一緒にやったら良いのか手探りの状態でした。先生方のお話で「丁寧な対応」とのお褒めをいただきましたが、皆さんと密に事業を進められたことはよかったなと思います。
 社会人・企業人の私達と学生の皆さんが対等のパートナーとして仕事に取り組めるよう、バランスには注意を払いました。「企業側の私達が出す指示に従って学生の皆さんが動く」というような場面は無く、のびのびと取り組んでいただいた結果、今回のすばらしい提案につながったと思います。
 社内でも今回の事業のフィードバックが何回か行われ、社長をはじめ上層部からも「これからもっともっと、地域貢献や地元の皆さんと何かする機会を増やしましょう」という動きが広がってきました。名古屋市内の小学生とワークショップをしたり、中高も含め、いろいろな教育機関とも連携し、地域とのつながりを拡げていこうとしています。皆さんの企画は、既存の企画会社と比較しても遜色ないほど、内容として整っていたと思いますし、良い提案だったと思います。本当にありがとうございました。

 総評の後、優秀賞(土岐さんは優秀賞とおっしゃらず「これはぜひやりたい、来春にはやるぞ!」という表現をなさいました)が発表され金色に輝くメダルが授与されました。先生方も含めた、プロジェクト参加者にそれぞれをイメージして作られたミニフィギュアが贈られました。

このメダルは海外のレゴランド®のアトラクション「砂金堀り」で砂金を掘り当てた者だけが購入できる超レアアイテム。首からメダルを下げてニコニコ顔の受賞者をお見せできなくて残念

背中には参加者の名前、土岐さんからの「こだわり」の解説に爆笑・歓声が大講義室に響き渡りました。この後「全員のフィギュアが並んだ姿が素敵すぎて、自分のだけ持って帰れない」問題が発生(笑)。人を喜ばせるプロの実力を見せつけられる一幕

満面の笑みで記念撮影を終え、最終プレゼンテーションは終了となりました。

当日は萩原芸術学部長と濵田経営統括本部副本部長が参加、レゴランド®・ジャパンのお二人への感謝とプレゼンテーションへのお褒めの言葉をいただきました