株式会社菊谷生進堂×インダストリアル&セラミックデザインコース 「香源プロジェクト」最優秀賞決定

 株式会社 菊谷生進堂 様とデザイン領域 インダストリアル&セラミックデザインコースとの連携プロジェクト「お香文化を楽しむ新しい道具のデザイン開発 (香源プロジェクト)」の最終プレゼンテーションテーションと優秀賞の発表が、2021年8月10日(火)に行われました。現代の生活にマッチしたお香の新製品を考えるという課題で、2ヶ月という短い時間でしたがユニークな発想のものや実用化も十分可能と思わせる新商品の提案など、さまざまなアイデアが発表されました。

 プレゼンテーションはひとり5分程度で、質疑応答というよりも菊谷生進堂 菊谷勝彦代表取締役社長、菊谷進之介専務取締役とともにアイデアのブラッシュアップを考えるような和やかな雰囲気で行われました 。学生は、アイデアの基になった考えの背景や解決したい課題を説明し、それに対応する商品を画像で説明します。試作品を作り込み、実際にお香を焚いて煙の様子や想定通りに使用できるか検証した作品もあります。学生らは自分と同世代の消費者にお香が浸透していない理由を考えつつ、近年の住宅事情に合わせたデザインや色の香炉、アロマオイルやリラクゼーションのようにもっとカジュアルに使えるようにしたもの、価格を抑え手に取りやすくしたもの、お香が好きな人がもっとマニアックに楽しめる商品など、さまざまなアイデアを提案しました。制作期間が2ヶ月という短い時間しかありませんでしたが、いずれも完成度が高く、実現できそうなものがたくさんありました。
 プレゼンテーション終了後、優秀賞と最優秀賞を菊谷生進堂と後藤規文教授で決定、発表となりました。最優秀賞は大学院1年生 青山健太郎さんの「時計のない生活」、優秀賞は3年生 吉野廉平さん「INCENSE HOLDER」が受賞となりました。
 青山さんの「時計のない生活」は、お香が燃える時間で時を計る時香盤を使いやすくする商品で、時香盤は灰の上に抹香(細かい粉末のお香)を帯状に敷いて使いますが、あらかじめプレートを用意しておきスタンプのように簡単に抹香を敷くことができるようにしたもの。用途に合わせて幾何学模様や猫をモチーフにしたデザインのプレートも用意され、現代の生活の中でも違和感なく時香盤が使えるようになっています。代表取締役社長の菊谷氏から「ちょうど興味を持っていた分野で、これから仕掛けたいと思っていた領域にぴったりです。もちろん、質も高く素晴らしいです」と講評をいただきました。
 優秀賞の吉野さんの「INCENSE HOLDER」は、お香を初めて使う人が香炉など道具を揃える必要がないように、パッケージがそのままお香立てになる商品。価格も抑えて気軽に購入できるように考えられています。菊谷氏からは「商品化しやすいことがポイント。若い人にも手軽に楽しんでもらえる商品になると思います」とコメントをいただきました。

 後藤教授は「期待していた以上にクオリティが高くそれぞれ自分なりに面白いテーマを扱ってもらえたのではないかと思う。産学連携の機会を活用してリアルな商品開発に近い経験を積んでいって欲しい」と講評しました。また、菊谷氏からは「全員とても良いアイデアで候補がたくさんあり審査は大揉めに揉めました、商品化できそうなものばかりで、ぜひ、今後とも一緒に商品を作っていきたいです」と嬉しいお言葉をいただきました。