デザイン領域 産学連携企画 中部文具工業協同組合「2022 文具デザインプロジェクト」キックオフ

 2022年6月8日、西キャンパス U102教室にて、本学と中部文具工業協同組合加盟の文具メーカーとの産学連携企画「2022 文具デザインプロジェクト」 1回目のミーティングと説明会を行いました。文具デザインプロジェクトは例年行われているもので、3年次までに習得したデザイン技術や知識を用い、商品や製品の企画、調査、開発、製造、販売までを見据えデザイン提案を行うもの。実際にこれまでの優秀作品が製品化されたこともあり、学生はもちろん企業にとっても非常に大きな意味を持つプロジェクトです。今年は、スタンプ・ネーム印でおなじみのシヤチハタ株式会社様、デスクマットやコロナ対策のパーティションなど樹脂製品の製造を行う森松産業株式会社様の2社に参加いただき、15名の学生が2社それぞれの課題に対し、デザインを提案することとなります。

 はじめに、各社から会社概要の説明と課題の発表が行われました。森松産業の課題は「デスク周りを使いやすく! 持ち運べる収納グッズ」。森直樹社長から、ポリ塩化ビニルやポリプロピレンを素材にした製品とプレス機やカッティングプロッターなど簡単に工場設備を紹介していただきました。課題に対しては、最近ではオフィスで自分の席を決めずノートパソコンなどを活用して好きな場所で働くフリーアドレスを採用する企業が増えてきており、コロナ禍もあり出勤する人が減り、自宅やカフェなどでも活用できる持ち運べて収納にも便利なグッズを考えて欲しいと説明がありました。付け加え、資料などのデジタル化のメリットや逆に対面でないデメリットなども考慮して考えて欲しいとありました。
 シヤチハタ株式会社からは「暮らしを助ける、新しい用途のスタンプ」という課題が出されました。シヤチハタは企業として「人の想いに応える『しるしの価値』を提供する」ということを目指しており、「はんこの新たな価値を創出する」ことが社命として挙げられています。今回の課題はその考えに沿ったもので、企業の本気度が窺えます。日常の生活の中で、しるしを上手く使えば助かることをぜひ見つけて欲しいと説明がありました。考えるヒントとして、やりたくないけど仕方なくやっていること、やりたいけれど方法がないからやれないことの2つを挙げ、自分に当てはめて考えて欲しいとアドバイスしていただきました。両社からは過去の優秀作品などの説明もあり、優秀作品には商品化があることも発表されました。

後半は、学生ひとりひとりの自己紹介と質問を受けつけ、ディスカッションとなりました。学生がこれまでに制作した作品について質問を受けたり、逆に企業側でできることや試作品についてなどの質問をするなど、意見交換が行われました。担当する三枝樹成昭 非常勤講師からは、文具というと鉛筆や消しゴムなど机上にあるものを想像しますが、はんこも文具であり鞄やデスク周りの収納なども含むよう幅広く設定しているのでいろいろな発想をしてもらえればいい、とコメントがありました。 今後の進め方としては、隔週で森松産業からは森社長、シヤチハタからは商品企画課 松田孝明さんに本学にお越しいただき、学生のアイデアをブラッシュアップし、実際に製品化可能なレベルに近づけるようにしていきます。2ヶ月後に最終プレゼンテーションを行い、最終審査となります。どんなデザイン文具が出てくるのか、楽しみなプロジェクトです。